Monthly Letter 6月号 感染の「第2波」か、市場の追い風の「第2風」か?

市場の追い風となる「第2風」を捉えるためには、投資家の間で、感染の「第2波」が新たな都市封鎖につながらないとの確信が高まらなければならないと我々は見ている。現在の経済状況が弱くとも、市場は先を見据えており、投資家が力強い回復が定着すると確信すれば、相場がさらに上昇する可能性が高い。

2020年 5月 21日

株式市場は、3月につけた下値から急速に回復した後、レンジ内で推移している。投資家の中では、新型コロナ感染の「第2波」、高いバリュエーション、米中貿易摩擦といった不安材料よりも、回復への期待の方が勝っているようだ。今月号では、こうした懸念に対する見解を示し、なぜセンチメントの変化が株式市場を活気づけ、上昇幅を押し上げる可能性があるのかについて説明する。

市場の追い風となる「第2風」を捉えるためには、投資家の間で、感染の「第2波」が新たな都市封鎖につながらないとの確信が高まらなければならないと我々は見ている。現在の経済状況が弱くとも、市場は先を見据えており、投資家が力強い回復が定着すると確信すれば、相場がさらに上昇する可能性が高い。

こうした確信はどこからもたらされるのか?最近の事例で分かるように、予想よりもワクチンや抗ウイルス薬の開発が早いペースで進んでいるニュースには、投資家の不安を和らげる力がある。我々はこの先も、医療の進歩に関する発表が増えると見込んでいる。だが、都市封鎖措置の緩和に伴い、入院率がどのように変化するのかも注意深く観察している。

都市封鎖の厳重さと異なる地域へのウイルス感染拡大との弱い相関関係は、移動の減少が十分に有効な措置でないか、あるいは感染を決定づける唯一の要素でないことを示唆する。一部のデータが示すように、都市封鎖が有効でないにもかかわらず、入院率が低下したのならば、社会を開放するスピードを上げても、大きな第2波は発生しないか、または新たな都市封鎖措置を導入する必要がないのかもしれない。

今回の世界的感染拡大の間につけた下値からの回復は、ハイテクや生活必需品、ヘルスケアといった、すでに割高だった成長セクターで特に顕著だ。主要株価指数は、一部のバリュエーション基準ではすでに妥当な水準に達している。それでも、第2波が対処可能であるか発生しないとの確信が高まれば、経済機能が正常化するスピードが加速すると期待され、バリュー株や中型株、景気敏感株といった後れを取っていた株式が上昇する余地が生まれるだろう。米中の緊張の高まりが必ずしも新たな貿易紛争にはつながらないとの安心感が高まることでも、株価が押し上げられる可能性がある。

我々のデータ分析結果に基づく第2波に関する見解は、市場のコンセンサスとは違うが、検討するに値すると考えている。なぜなら、それが市場をさらに押し上げる鍵になるかもしれないからだ。しかしながら、科学、政治、財政、金融といった様々な面で政策の選択が日々行われているという、これまでにない状況で、予想外の結果を生む可能性があることも理解している。従って、我々の悲観シナリオが実現する確率はここ数週間で低下したが、慎重を期して様々な結果が生じる可能性が残っていることを認識する必要がある。

急速な正常化を示すさらなる証拠が待ち望まれる中、リスク調整後リターンが最も優れている資産クラスは依然としてクレジットであると見ている。クレジットは楽観シナリオでは恩恵を受けるだろうが、我々の基本シナリオや悲観シナリオが実現した場合でも、株価指数よりもしっかりと下支えされる。我々は米ハイイールド債と米投資適格債、米ドル建て新興国国債を推奨する。株式では、世界的な消費者ブランドやヘルスケアなど、感染を巡る先行き不透明感がある中でも、底堅いセクターに引き続き注目する。また追加的なポートフォリオの利回りを得るために、ボラティリティ(相場変動率)が高い中でも引き続き投資機会を追求して行く。悲観シナリオが実現した場合の備えとして、投資家はポートフォリオに金、厳選したヘッジファンド、米国物価連動国債(TIPS)の追加や、ダイナミック・アセットアロケーション(機動的な資産配分の変更)を検討することができる。

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