• 半数以上のディーラーで2021年上半期の売上高が増加
  • 富裕層収集家の平均支出額は増加、オンラインが引き続き重要なチャネルに
  • デジタル・アートへの関心が強まる

チューリッヒ、2021年9月9日 — UBSとアート・バーゼルは本日、アート・マーケット・レポートの2021年中間調査報告、『アート・マーケット・サーベイ:ディーラー・セクターの回復力』を発行しました。著名な文化エコノミスト、クレア・マッキャンドルー博士が執筆を担当しました。9月24~26日に再びバーゼルで「アート・バーゼル」が開催されるのを機に、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)禍での厳しい状況が続いた2021年上半期のグローバルなディーラー・セクターの動向を雇用構造と販売に焦点を当てて分析したレポートです。分析は、54の国や地域の美術品、骨董品市場で事業展開する700以上のディーラーを対象に行った調査への回答に基づいています。また、アーツ・エコノミクス社とUBS Investor Watch が5市場(米国、英国、香港特別行政区(中国)、ドイツ、スイス)において500人の富裕層収集家を対象に実施した調査と、UBSエビデンス・ラボがまとめたデータから得られた最新の洞察も掲載しています。

本レポート(英語版)の全文は、http://www.ubs.com/collectingよりダウンロード頂けます。 

主な調査結果

  • 売上高と主要市場: 調査したディーラーの半数強 (51%)は、2021年上半期売上高は2020年上半期と比べて増加したと回答しました。売上高が最も大幅な改善を示したのはアジアのディーラーで、中華圏での事業の6%増を含め、平均18%増加しました。最も厳しい環境にあったのは欧州のディーラーで、域内の売上高は平均7%の減少でした。
  • デジタル化の加速が続く: オンラインは引き続き重要なチャネルであり続けており、全ディーラー売上高に占めるオンライン販売は33%(オンライン・ビューイング・ルームを含めると37%)と、2019年の2倍以上にシェアを拡大しました。オンライン販売で最も多かったのはディーラー自身が運営するオンライン・チャネル(ウェブサイト、オンライン・ビューイング・ルーム、ソーシャル・メディア、Eメール)を利用したものでした。オンライン経由で新たに購入者となった層が拡大し、オンライン売上高全体の38%を新規購入者が占め、また、既存顧客でも2021年に初めてオンラインを利用した顧客が25%を占めました。
  • ディーラーは楽観的: 調査したディーラーの91%は今後12ヵ月間の売上高について、増加あるいは横ばいとの見通しを示し、減少を予想しているのは9%にとどまりました。
  • アーツ・エコノミクス社とUBS Investor Watch による富裕層収集家調査から得られた考察:

世界の富裕層と美術品購入:調査した富裕層収集家が2021年上半期に美術品と骨董品に費やした平均支出額は24.2万ドルと、2020年通年の17万ドルと比べて平均42%もの大幅な増加となりました。伸びを牽引したのは、主にミレニアル世代の収集家です。ミレニアル世代収集家の全体の支出額は37.8万ドルと、2019年の水準から2倍以上伸び、上の世代(X世代は11.8万ドル、ベビーブーマー世代は10万ドル)のそれの3倍以上にのぼりました。ミレニアル富裕層収集家は2021年に平均15点の作品を購入しました(X世代は9点、ベビーブーマー世代は2点)。女性富裕層収集家は男性富裕層収集家より多く支出し、2019年以降、支出の伸びは大幅に加速しています。女性収集家の2021年上半期の支出額は41万ドルと3割強増加し、2020年と比べて僅か9%増の16.3万ドルにとどまった男性収集家の2倍以上に達しました。

デジタル・アート:調査した富裕層収集家が所有する作品の16%はデジタル、フィルム、ビデオのアートで、これら媒体の目覚ましい成長が浮き彫りになりました。デジタル・アートは2021年上半期の平均支出額の12%を占めました。一方、絵、彫刻、紙を使った作品は31%でした。今後12ヵ月間の購入対象として関心のあるアートのタイプについては、調査した収集家の48%がデジタル・アート作品の購入に関心があると回答しました。

チャネル:最も広く利用された販売チャネルはディーラーとギャラリーで、調査した富裕層収集家の82%が2021年上半期にディーラーを通じて購入しました。また、最も利用したい販売元とされたのは、オンライン専業者ではなく、ディーラーでした。

イベントへの参加:調査した富裕層収集家は2021年に合計で40件のイベントに参加する計画です。これはCOVIDパンデミック発生前の2019年に報告された平均より1件少ないだけで、富裕層収集家が2021年下半期に抱く強い意欲を反映しています。

持続可能性:調査した富裕層収集家の77%がアート作品の購入または収集品の管理に関する、持続可能な選択肢について考えています。

レポートでは、 UBSとアーツ・エコノミクス社が共同で実施した富裕層収集家調査に加え、経済の視点に立ったUBSのチーフ・インベストメント・オフィス (CIO) の知見やUBSのオルタナティブ・データ提供機関であるUBSエビデンス・ラボによる米国のギャラリー/美術館入場者統計や、米国の求職者信頼感に関する最新の洞察を掲載しています。

UBSグローバル・ウェルス・マネジメントCIOのグローバル・アセット・アロケーション・ヘッド、エイドリアン・ツェルヒャーは以下のように述べています。「アジアのアート市場はディーラーの売上高が最も大きく伸び、回復力を示しました。デジタル・チャネルがこの成長に重要な役割を果たし、私たちが調査した香港特別行政区(中国)の富裕層収集家の半数以上が現下の状況ではオンラインでの購入を好むという結果が出ました。また、大部分の収集家は今後1年の市場の行方について楽観的です。」

UBSヨーロッパSEのCEO兼欧州ウェルス・マネジメント・ヘッドでUBSアート理事会会長のクリストル・ノバコビッチは次のように述べています。「UBSはより良い世界を実現するために人々をつなげるアートの力を信じています。危機からイノベーションと変化を推進する力が生まれます。パンデミックはその副産物として、市場や移り変わるギャリーやディーラーの役割を改めて検証し、より持続可能なあり方で再構築することを促すまたとない機会を与えてくれます。私たちの調査結果は、デジタル化は急ピッチで加速し続けており、新たな事業機会を生むと同時に、従来型の市場構造にとって進化と試練の時をもたらしていることを浮き彫りにしています。」

アーツ・エコノミクス社の創立者であるクレア・マキャンドルーは次のように述べています。「危機下でも美術品販売は比較的底堅く推移してきましたが、ディーラー・セクターにとって最大の懸念要因のいくつかは雇用に関連するものでした。今回の調査では、今後の労働慣行に影響を与え続けるであろう業界の変革が示唆される中で、喪失した雇用が2021年に一部戻ったことを示す明るい兆候が認められました。業務の一部の側面は変わりつつありますが、高い知識がもとめられることとジェンダーのバランスが取れた雇用は、この業界において変わることはないでしょう。調査結果は、収集家はディーラーが提供する作品とアーティストの質と並んで、ディーラー自身の知識や知見、そして長期にわたって積み上げられた信頼関係を最も大切と考えていることを示しています。伝統的なギャラリーの枠組みとは別の、オンラインで販売されるアート作品が増えるにつれ、アーティストのキャリアを確立し、管理する上でギャラリーが果たす極めて重要な役割も浮かび上がりました。」

アート・バーゼルのグローバル・ディレクターのマーク・シュピーグラーは以下のように述べています。「世界美術品市場は試練と変化に満ちた時期を経験していますが、クレア・マッキャンドルー氏による中間調査は、COVID-19パンデミックが特にディーラーに及ぼす持続的な影響に関する洞察を与えてくれます。特に前年に導入されたデジタル戦略についての項目により、多くのことがここにきて分かってきました。こうした情報はデジタル戦略の中長期的な応用に多くの示唆を与えてくれるでしょう。また、セクターの回復の主たる要因は、驚くほど力強く、持続的な収集への関心であり、さらに収集家は美術品を以前のようにディーラーやギャラリーから購入することに引き続き意欲的であることが本レポートより明らかになりました。」

今回の調査結果はアート・バーゼルの専門委員会で討論される予定です。その模様はインターネットでライブストリーミング配信されます。最新情報は、http://www.ubs.com/collectingでご確認下さい。

アート・バーゼルにおけるUBS

アート・バーゼル開催を記念し、UBSは前向きな変化を呼び起こすアートの力を浮かび上がらせる新たな展覧会とプロジェクトを催します。「Reimagining: A Better World」 はUBSアートコレクション所蔵品の中から今日の最も差し迫った課題をテーマとする作品を展示します。この展覧会はオンラインのバーチャルUBSアート・ギャラリーにて無料でご鑑賞いただけます(9月16日~11月28日)。また、アート・バーゼルのUBSラウンジでも展示されます。アート・バーゼルの一般公開エリアにあるUBSアート・スタジオでは、世界をより良い場所にする上でアートが果たせる役割をテーマに2つのプロジェクトを催します。「Little Sun」はオラファー・エリアソンが立ち上げた組織で、電気がない地域で太陽光発電による照明を使えるようにするための資金をアーティストが協力して集めるプロジェクトである「Ghost of a Dream」を展開します。またボトルトップは、「国連の持続可能な開発目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」の認知度を高めるため、アーティストの モラグ・ マイヤーズコフがデザインした旗を展示します。いずれの会場でも、紫外線光触媒反応を利用した強力な空気清浄を行います。バイエラー財団(9月21日)では、UBSが実施中のプログラムで、著名現代アーティストを招き、自身の作品について語ってもらう「アーティスト・トークス(Artist Talks)」の一環として、オラファー・エリアソンがロンドンのサーペンタイン・ギャラリーズのアート・ディレクターであるハンス・ウルリッヒ・オブリストと対談し、自身の活動について語ります。

UBSについて

UBSは、世界各国の富裕層個人、法人、機関投資家およびスイス国内のリテール顧客に対し、金融アドバイスとソリューションを提供しています。UBSは、最大で真にグローバルなウェルス・マネジメント事業と、スイスでトップクラスのパーソナル&コーポレート・バンク事業、スケールを活かして多様な資産に投資するアセット・マネジメント事業、そして強みに特化したインベストメント・バンク事業によって構成されています。UBSの事業戦略は、事業部門それぞれが有する競争力を基に、各部門の株主に対する魅力的で持続的な利益還元を実現すべく、特に秀でた分野に経営資源を集中することで、事業を展開する業務や地域において成長するというものです。全ての事業が高い資本効率を誇り、活動する個々の市場で競争優位性による恩恵を享受しています。

スイスのチューリッヒに本拠を置くUBSは、世界の主要金融市場を含む50の市場で事業を展開し、72,000名超の従業員を擁します。内30%が米州、30%がスイス、19%がスイス以外の欧州・中東・アフリカ地域、21%が太平洋地域に在籍しています。UBSの株式はスイスおよびニューヨークの各証券取引所に上場されています。

日本においてはUBS証券株式会社、UBS銀行東京支店、UBSアセット・マネジメント株式会社、UBSジャパン・アドバイザーズ株式会社、UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメント株式会社、UBS SuMi TRUSTウェルス・アドバイザリー株式会社の六法人を通じて、法人、機関投資家及び富裕層個人のお客様向けに様々な金融商品とサービスを提供しています。

UBSとアート・バーゼル

UBSは革新性に溢れた対話をグローバルな規模で促進する取り組みに対する信念を共有する者として、ほぼ30年にわたって、アート・バーゼルのグローバル・リード・パートナーを務め、アート・バーゼルを支援するという光栄に浴してきました。アート・バーゼルのグローバル・ネットワークの拡大に伴い、UBSのリード・パートナーシップの活動も広がり、3ヵ所(バーゼル、マイアミビーチ、香港)で開催される年次展覧会の全てに関わるまでになり、「Intersections: The Art Basel Podcast」を共同提供し、アート・バーゼルとUBSのアート・マーケット・レポートを共同発行しています。詳しくはubs.com/art をご参照下さい。

アーツ・エコノミクスとクレア・マッキャンドルーについて

アーツ・エコノミクスは、個人および法人、金融機関の顧客のために、美術品や装飾品市場のリサーチと分析に特化したリサーチ・コンサルティング会社です。同社は2005年にクレア・マッキャンドルーによって創設されました。マッキャンドルー博士は、美術品、骨董品、収集品市場を専門とする文化エコノミストです。彼女は2001年にダブリンのトリニティ・カレッジで経済学の博士号を取得し、4年間同校で経済学の講義をしていました。2002年に米国のブティック投資銀行会社Kusin & Companyに美術品投資専門のチーフ・エコノミストとして入社し、米国で3年を過ごした後、2005年に欧州に戻り、グローバルな顧客に、民間の立場からリサーチやコンサルティングを提供する形で、美術品市場での仕事を続けました。2005年にアーツ・エコノミクスを設立し、美術品市場のリサーチと分析に関する取り組みを中心に、世界各地の民間のコンサルタントや学者と協力して、グローバルな美術品取引や金融セクターに対するリサーチとコンサルティング・サービスを提供しています。

アート・バーゼルについて

1970年にバーゼル出身のギャラリストによって創設されたアート・バーゼルは、今日では、バーゼル、マイアミビーチ、香港で展示会を行い、近代および現代アートを展示する世界でも一流の舞台となっています。各展示会は、主催される都市や地域によって独自の特徴があり、それが参加するギャラリーや展示される美術品に反映されます。また、地元の金融機関との協力により、平行して行われるプログラムが制作されます。アート・バーゼルの取り組みは新たなデジタル・プラットフォームを通じ、アートフェアの領域を超えて拡大し、アート・バーゼルとUBSによるグローバル・アート・マーケット・レポートやIntersections: The Art Basel Podcast、BMWアート・ジャーニーなど多くの新しいイニシアチブを展開しています。アート・バーゼルのグローバル・メディア・パートナーはフィナンシャル・タイムズです。詳しくはartbasel.com をご参照下さい。

UBSと現代アートについて

UBSは、現代アートとアーティストを支援してきた長い歴史があり、そのコレクションは世界で最も重要なコーポレート・アート・コレクションのひとつです。アート・バーゼルとのグローバル・リーダーパートナーシップを通じて、そして『アート・バーゼルとUBSによるグローバル・アート・マーケット・レポート』の共同発行者として、美術品市場との国際的な対話の促進を目指しています。またUBSは、スイスのバイエラー財団、ロシアのガレージ現代美術館、オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ州立美術館などの美術関連機関とパートナーシップを結んでいます。UBSはお客様にアート・コレクション・サークルとUBSアート・アドバイザリーを通じて、美術品市場、収集、相続計画に対する知見を提供しています。現代アートに対するUBSのコミットメントの詳細については、ubs.com/artをご覧下さい。

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