中国投資 バリュー株とグロース株を組み合わせる

中国では政策の正常化が続く見通しだが、マクロ環境は良好であることから、中期的にはプラス・リターンが期待できる。

2021年 06月 17日

House View レポートの紹介

  • 中国は、経済が堅調なことから、今後も金融政策の正常化が進むだろう。一部の A 株セクターではバリュエーションの伸長が警戒感につながる可能性がある。
  • 銀行株(A 株)の 2020 年 11 月中旬以降のリターンは14%を超えた。銀行株は、バリュエーション上の魅力度が高く、また景気回復と政策の正常化を追い風に良好な業績も見込まれることから、短期的にはなお株価に上昇余地があるとみている。
  • グロース(成長)セクターの比率が高いオフショア中国株式(中国本土外の取引所に上場している中国株式)や、オンョア社債(中国本土証券取引所に上場している中国社債)を引き続き推奨する。

我々の見解

中国は経済が堅調なことから、金融政策は正常化が引き続き進むものと思われる。昨年 10 月以降、信用の伸びが鈍化していることから、一部の A 株(中国本土の取引所に上場している人民元建て中国株式)セクターでは、バリュエーションの伸長が目先、市場の警戒感につながる可能性もある。しかし、マクロ環境は良好であることから、中期的にはプラスのリターンが確保できるものとみている。

短期的には、A 株の中でも、銀行など、バリュエーション上の魅力度が高く、経済および政策の正常化の恩恵が見込まれるセクターを推奨する。銀行株(A 株)の 2020 年 11 月中旬以降のリタ ーンは(2021 年 6 月 11 日時点で)14%を超えたが、短期的にはなお上昇の余地があるとみている。割安なバリュエーションに加えて、銀行セクターの業績は高い経済成長率と金利環境の正常化の恩恵を受けると考える。

オフショア中国株式は引き続き推奨する資産クラスである。目先、 E コマース(電子商取引)大手に対する規制強化や新規事業投資計画が業績見通しや株価の重石となり、デジタル・エコノミー関連銘柄はボラティリティ(価格変動率)の高い展開が予想される。テクノロジー・セクターに対する今後の規制強化の動きについてはなお不透明である。だが、今年 4 月に独禁法違反で中国E コマース大手に科された罰金は 2019 年の同社国内売上高の4%にとどまっており、これを基本シナリオと想定するならば、今後、他の中国テクノロジー企業に罰金処分が下されたとしても、対処可能な範囲だと考える。

オフショア中国株については、上場企業の利益成長率が株価の押し上げ要因となるだろう。我々は 2021 年の利益成長率を前年比 18%(米ドルベース)と予想している。また、オフショア株式は世界の流動性との連動性が高い。よって、国内外の堅調な景気回復、世界的な金融緩和継続、先進国におけるワクチン接種の進展などから恩恵を受けるとみている。

社債は、株式市場のボラティリティが高まる中、魅力的かつ安定した金利収入(イールドキャリー)が引き続き獲得できるだろう。また中国国債に比べると、デュレーション(年限)が短いため、金利正常化の動きに対しても債券価格の値動きが小さい。新型コロナ対応の信用政策が巻き戻されるに従い、全体のデフォルト(債務不履行)率は上昇する可能性がある。しかし、中国は景気回復が堅調なことから、デフォルト率の上昇は金融市場全体のシステミックな混乱に起因するものではなく、企業固有の事由が影響すると考える。信用力の差異に着目することで魅力的な金利収入(イールドキャリー)を享受することができるだろう。

政策正常化が A 株に与える影響と IT 企業規制が及ぼす H 株
(香港証券取引所に上場する中国株式)への影響が見通せるようになるまで、株式市場ではボラティリティが高い状況が続くと見込む。足元の不透明な局面を乗り切る上で有効なアプローチはバーベル・アプローチと考える。短中期的に変動の激しい上昇局面を捉えるために、バリュー(割安)株である銀行株(A 株)とグロ ース(成長)株の H 株を組み合わせて保有する方法だ。

中国市場への投資

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