日本株式 辛抱のとき:活動自粛も、年末に向けて上値余地あり

安倍首相は4月7日に緊急事態宣言を発令した。この影響で、企業利益は今後2・四半期にわたり急激に減少する見込みである。我々は2020年3月期(2019年度)と2021年3月期の純利益の伸びをそれぞれ-23%、-17%に下方修正した。世界経済に対する我々の基本シナリオが実現し、5月中旬以降各国で規制が徐々に解除される前提で、2022年3月期の純利益は前年比62%増益と予想する。

by 居林 通、小林 千紗 2020年 4月 07日
  • 安倍首相は4月7日に緊急事態宣言を発令した。この影響で、企業利益は今後2・四半期にわたり急激に減少する見込みである。我々は2020年3月期(2019年度)と2021年3月期の純利益の伸びをそれぞれ-23%、-17%に下方修正した。世界経済に対する我々の基本シナリオが実現し、5月中旬以降各国で規制が徐々に解除される前提で、2022年3月期の純利益は前年比62%増益と予想する。
  • 東京では過去に例を見ない規制が続いているが、日本の株式市場は3月に安値をつけた後落ち着きを取り戻しているようだ。だが状況は流動的で、値動きの激しい展開が続くだろう。
  • こうした環境下、投資家にはポートフォリオの分散を図り、急落前に大幅なプレミアムで取引されていた質の高い銘柄に選別的に投資することを勧める。

我々の見解

安倍首相は4月7日に緊急事態宣言を発令した。我々は緊急事態宣言の発令に先立ち、新たな国内総生産(GDP)予想に基づいて利益予想を見直した(マクロ情報の詳細は4月6日付日本経済レポート「緊急事態宣言発令で活動自粛へ」を参照)。

新たな予想では、第2四半期(7-9月期)の売上高を2009年世界金融危機時に匹敵する-18%(対前年同期比)へ修正した。しかし、この急激な落ち込みによるベース効果から、来年は急速に回復すると見込む(図表1参照)。2020年3月期(2019年度)と2021年3月期の純利益の伸びについては、それぞれ従来の-12%から-23%、+1.9%から-17%に下方修正した。世界経済に対する我々の基本シナリオが実現し、5月中旬以降各国で規制が徐々に解除される前提で、2022年3月期の純利益は前年比62%増益になると予想する(図表2参照)。

世界有数の大都市である東京で、過去に例を見ない規制が続いているにもかかわらず、日本の株式市場は落ち着きを取り戻しているように見える。日経平均株価は3月19日に16,552円の安値を付けた後、3月27日にはそこから17.1%上昇し、19,389円まで回復している。3月17日付日本株式レポート「日本株が売られ過ぎである3つの理由」で述べたように、最近の株価下落は、世界金融危機並みの金融メルトダウンの可能性を市場が織り込んだためであるとみており、株価資産倍率(PBR)0.8倍近辺という足元のバリュエーションは長期的に妥当な水準とは考えにくい(図表3参照)。

とはいえ、今後2・四半期は利益が急落し、純利益率もマイナスにまで落ち込み、その後年後半にかけて再びプラスに戻る公算が大きい。状況は流動的で、日本の株式市場は当面値動きの激しい展開が予想されることから、投資家にはポートフォリオの分散を図り、急落前に大幅なプレミアムで取引されていた質の高い銘柄に選別的に投資することを勧める。

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居林通

UBS証券株式会社 ウェルス・マネジメント本部チーフ・インベストメント・オフィス
ジャパン・エクイティリサーチ・ヘッド


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