日本株式 日本でもサステナブル投資が本格化へ – GPIFがグリーン投資を加速

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がサステナブル投資を加速している。日本経済新聞によると、世界最大の資産運用額を抱えるGPIFは、債券と株式の両方でグリーン投資の保有残高を拡大する計画だ。

27 9 2019
  • 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がサステナブル投資を加速している。
  • 日本経済新聞によると、世界最大の資産運用額を抱えるGPIFは、債券と株式の両方でグリーン投資の保有残高を拡大する計画だ。
  • GPIFによるサステナブル投資への継続的なコミットメントにより、他の機関投資家や発行体も追随するとみられる。よって、今後数年にわたり、日本ではESG(環境・社会・ガバナンス)投資を採用する動きが活発化するだろう。

我々の見解

運用資産残高158兆円を抱える年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がサステナブル投資を加速している。日本経済新聞によると、この世界最大の年金基金は、グリーンボンドを対象に算出する指数を指数算出会社から募り、グリーンボンド投資の枠組みを整える方針だ。この動きは、GPIFによるESG(環境・社会・ガバナンス)投資へのコミットメントを示したものと言えよう。

2017年4月にESG投資を開始して以降、GPIFはESG指数を5つ(総合型2つ、社会テーマ型1つ、環境テーマ型2つ)採用し、それぞれの指数に連動する株式運用を拡大してきた。2019年3月現在、GPIFのESG投資残高は3.5兆円と、2018年9月の1.2兆円から約3倍に急増した。GPIFは今後数年にわたり、引き続きESG投資を拡大していくと予想される。

GPIFがサステナブル投資に継続的なコミットメントを示したことで、他の機関投資家や発行体も追随するとみられる。よって、今後数年にわたり、日本ではESG投資を採用する動きがさらに活発化するだろう。

急拡大を遂げる世界のグリーンボンド市場

グリーンボンドの基準・認証を推進する団体の1つである「気候債券イニシアチブ(CBI)」によると、今年年初来の世界のグリーンボンド発行額は1,735億米ドルにのぼり、すでに昨年の1,710億米ドルを超過している。CBIは、2019年通年の発行額は、昨年比46%増の2,500億米ドルに達すると予想している。グリーンボンドの市場シェアでは米国が年初来累計で23%と首位。次いで中国(14%)、フランス(11%)と続く。日本の市場シェアは2%で10位につけている。

拡大余地が大きい日本のグリーンボンド市場

この4年間は、日本政策投資銀行が国内グリーンボンド市場の成長をけん引してきた。グリーンビルディング(環境配慮型建物)、再生可能エネルギー、環境関連企業への融資向け資金調達として、まず4本のグリーンボンドを発行した。メガバンクも積極的だ。非金融法人企業も発行総額の22%を占めている。日本では国や政府機関によるグリーンボンドの起債は未だ活発化しておらず、東京都が少額の債券を発行した程度である。対照的に、世界の主要市場では、公共セクターが発行総額の15%を占めている。言い換えれば、今後、持続可能なインフラ関連プロジェクト向けの資金調達に、日本の公共セクターがグリーンボンドを積極的に活用し始める可能性が高いということである。

政府もグリーンファイナンスとグリーンボンド市場を後押ししている。環境省は2017年に、日本のグリーンボンドガイドラインを策定し、その翌年には、グリーンボンドの発行支援に対して補助金を交付する制度を導入した。また、東京証券取引所は2018年に、アナリストと投資家のグリーンボンドに対する認知度を高めるため、グリーンボンド・ソーシャルボンドのプラットフォームを開設している。

グリーンボンドの定義

国際資本市場協会(ICMA)は、グリーンボンドとは、調達資金の全てが、新規又は既存の適格なグリーンプロジェクトの一部又は全部の初期投資又はリファイナンスのみに充当され、かつ、ICMAが定めるグリーンボンド原則の4つの核となる要素に適合している債券、と定義している。市場にはさまざまな種類のグリーンボンドが存在する。グリーンプロジェクトが社会的なコベネフィット(経済的社会的発展と環境負荷の削減を同時に実現する相乗効果)を有することがあり、グリーンボンドの分類については、発行体が、グリーンプロジェクトの主目的に基づいて決定する必要がある。




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