トレンドからの逆行
市場における支配的な短期トレンドの大半が、10年間続いてきた長期トレンドの反対を向いている。投資家たちは思案している。逆行トレードはあとどの程度続くのか?長期トレンドには変わりはないのか?本レターではこの2つの疑問について考察する。
ワクチンを接種した消費者一人ひとりが82歳になる私の父のように振る舞うと、景気回復は予想外に伸びるかもしれない。父は「巣ごもり」生活を支えてきた動画配信サービスを解約し、旅に出た。父の旅の具体的な話は別の機会に譲ることにするが、ここで重要なのは、市場は今、出遅れセクターの巻き返しの最中であり、この状況がしばらくは続きそうだという点だ。
株式市場の主役が昨年の出遅れ銘柄に移行するというのは、ここ数カ月間我々が注目してきた見通しだが、米国で1兆9,000億米ドル規模の景気対策が可決されて、この動きに拍車がかかっている。エネルギーや金融セクターが大幅に上昇した。債券利回りが上昇し、バリュー株(割安株)がグロース株(成長株)やハイテク株に比べて力強いパフォーマンスを上げた。
この「逆行トレード」とは、市場における支配的な短期トレンドの大半が、10年間続いてきた長期トレンドの反対を向いている、という意味だ。投資家たちは思案している。逆行トレードはあとどの程度続くのか?長期トレンドには変わりはないのか?本レターではこの2つの疑問について考察する。
インフレ率、景気刺激策、景気回復の加速が市場に影響を及ぼすのは4-6月期(第2四半期)になる見通しのため、投資家は戦術的に「リフレトレード」(金融緩和策の長期化で景気が浮揚すること織り込んだ取引)のポジション、とりわけエネルギー、金融、小型株のポジションを継続するのが得策だろう。これらのセクターは景気回復の加速と金利上昇による恩恵を受けると見込まれるからだ。この投資環境では短期的に一部のグロース株のボラティリティ(相場の変動)が拡大し、不透明感が高まりそうだが、長期的な企業の利益成長の見通しに変わりはなく、これが長期リターンを支えていくだろう。したがって、長期投資家は一部の成長テーマで戦略的なポジションを構築するために、ボラティリティの上昇局面をいかに活用するかについて検討することが望ましい。
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