新型コロナウイルス危機で多くの人命が失われ、世界経済は困難な状況に陥 ったが、ワクチンのおかげで2021年には希望の光が見えてきた。

読者が投資計画を見直す上での参考に資するため、2020年最後の本レターは、ポートフォリオにとっての「新年の抱負」に焦点を当てる。

  1. 歴史的な変化の1年を経て投資計画を見直す。
  2. 株式市場の上昇を見据えたポジションを組みつつも、分散投資で次の上昇を捉える。
  3. ポートフォリオの利回りを高めるよう努める。
  4. 米ドルの下落に備え、通貨分散を考える。
  5. 「The Next Big Thing(ザ・ネクスト・ビッグ・シング)」に向けてポジションを組み直す。
  6. サステナブル投資のポジションを増やす。
  7. 上場銘柄の一部をプライベート市場に分散する。

11月のグローバル株式の上昇率は12%と月間上昇率としては記録を更新し、今月もさらに上値を追い続けている。にもかかわらず相場には上昇余地があるとの見方を我々は変えていない。基本シナリオでは、今後6カ月で6%のリタ ーンを見込んでいる。楽観シナリオでは、ワクチンが先進国に急速に普及すると想定し12%の上昇余地を見ている。

さらに、バリュー株(割安株)、小型株、米国以外の市場へのローテーションはさらに進むと予想する。グローバル市場の小型株は11月初めから15%上昇したが、年初来では大型株より2%ポイント低い水準にある。バリュー株も同じ期間に15%上昇したが、年初来では–4%。我々が最も推奨する英国株式は同じく12%上昇したものの、年初来では–13%となっている。

債券では、利回り追求の動きが続くだろう。景気見通しが良くなったとはいえ、すぐさま金利上昇につながるとは我々は考えていない。各国の中央銀行は需給ギャップが埋まるまでは金融を引き締めることはなさそうだ。その期間は数カ月ではなく数年にわたるプロセスになるだろう。したがって、米ドル建て新興国国債やアジアのハイイールド債など、高利回りの資産クラスを引き続き推奨する。

通貨では、米ドル安が続くだろう。欧州中央銀行(ECB)はマイナス金利の深掘りをためらっているため、戦術的にはユーロ高米ドル安を見込んでいる。米ドルの利回り優位性が低下し、安全資産への需要が低下する結果、投資家は米ドルの戦略的な保有の妥当性を見直す時期が来たと思われる。

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