House View Weekly よく聞かれる質問(FAQ): 株式のボラティリティへの対応

景気についてのFRB の慎重な見通しと米国の一部の州で新型コロナウイルスの感染が増加していることを受けて、最近の株式市場の強気姿勢が後退し先週はボラティリティが戻った。株価下落を受けて、市場と実体経済が乖離しているのではとの疑問が生じているなか、良く聞かれる質問にお答えする。

2020年 6月 15日

今週の要点

銘柄選別で上昇機会を捉える

米連邦準備理事会(FRB)が米経済と新型コロナの感染状況について慎重な姿勢を示したのに加え、米国の一部の州で新型コロナの感染が再び拡大していることを受けて、S&P500種株価指数は11日に6%下落した。「低金利の長期化」見通しと景気回復をめぐる懸念が重なり、グロース株からバリュー株へのシフトも一部で反転がみられた。しかし、11日の下げ幅は大きかったものの、最近の持続的な上昇基調に照らしてみれば、相場は2週間足らず前の水準に戻っただけである。ムニューシン米財務長官の発言やワクチン等の開発進展などから、感染「第2波」が起きても、米国全土でのロックダウンに逆戻りすることはないものと予想される。感染が再拡大している州でも、消費者の移動や支出は増加し続けていることも注目すべき点である。ただし、グローバル株式は3月中旬の安値からすでに40%近く上昇しているため、今後は銘柄の選別が重要になる。経済活動の再開に伴い、一部のシクリカル(景気敏感)株やバリュー株が上昇してグロース株との差が縮まるものと予想する。特に楽観シナリオに沿った回復軌道に入った場合、米国の中型株、ユーロ圏の資本財、ドイツ株等は有望とみる。ヘルスケアや優良銘柄におけるディフェンシブ株も、いずれのシナリオでも底堅い推移が見込まれ、リスク調整後リターンが魅力的である。

要点:株式市場は一時的に下落したものの、なお上昇余地が見込まれる。米国中型株、ドイツ株、ヘルスケア等に注目した厳選投資を推奨する。

FRBのゼロ金利政策継続で利回り追求の必要性が高まる

FRBは先週、2022年まで政策金利を0₋0.25%で維持するとの見通しを示した。低金利が長期化する環境下では、利回り追求姿勢を強める必要がある。追加利回りを確保するには大きく3つの方法が考えられる。1つ目は米国のハイイールド債である。ハイイールド債は現時点で6.9%の利回りを提供し、債券保有者に有利な企業行動とFRBによる債券買い入れに下支えられている。2つ目は米ドル建て新興国国債である。同債券は70を超える発行体で構成されているJPモルガンEMBIGD指数を通じて5.6%の利回りを提供している。3つ目として、低流動性を許容できる投資家は、プライベート・マーケットも現環境下で追加リターンの獲得が期待できる投資先として検討できるだろう。新型コロナ危機による債券市場の混乱は長期化が見込まれるため、アクティブ運用戦略も魅力的なリターンを上げる機会となるだろう。

要点:FRBの声明で低金利の長期化が続く見通しが示されたため、投資家は利回り追求の動きを強めている。米国ハイイールド債、米ドル建て新興国国債等を勧める。

米ドル安が続く見通し

米ドル指数は先週0.2%低下し、現在は3月23日の高値を5.6%下回っている。6月11日には安全通貨としての米ドルに資金流入の動きがみられたものの、新型コロナ危機が最悪期を脱したとの見方が強まるにつれ、安全通貨は需要が後退する可能性が高い。FRBは主要中央銀行の中でも特に積極的に金融緩和を実施しており、それに伴い米国の金利プレミアムも低下している。米国の2年国債の利回りは今年年初時にはドイツ2年国債を215ベーシスポイント(bp)上回っていたが、足元の金利差は81bpに縮小している。一方で、FRBのバランスシートは今回のパンデミックを機に3兆米ドル拡大した。これは欧州中央銀行(ECB)のバランスシートの拡大幅の2倍に相当する。テック規制と増税をめぐる政治的不確実性も米ドル安につながるだろう。米ドル安見通しを踏まえ、米ドル以外への通貨分散として、英ポンド(購買力平価1.54からみて非常に割安)、スイス・フランも推奨する。スイス・フランはスイス国立銀行の追加緩和余地が限られ、現時点で優れた安全通貨であるとみている。

要点:特に楽観シナリオでは、年末に向けて米ドル安が予想される。推奨する通貨としては英ポンドとスイス・フランが挙げられる。

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