House View Weekly 2019年はほぼすべての資産クラスが好調に推移した

2019年は非常に好調な年となり、我々がカバーしている18の主要資産クラスすべてでプラスリターンを達成した。世界の経済成長率は2018年の3.8%から2019年は3.0%程度に減速したが、2018年末の急落後の出発点が低かったこともあり、世界の株式市場は27%上昇した。債券のリターンも6%~16%を記録し、2019年はバランス型ポートフォリオにとって2009年以降で最良の年になった。

2020年 1月 06日

今週の要点

1. 2019年はほぼすべての資産クラスが好調に推移した

2019年は非常に好調な年となり、我々がカバーしている18の主要資産クラ スすべてでプラスリターンを達成した。世界の経済成長率は2018年の3.8% から2019年は3.0%程度に減速したが、2018年末の急落後の出発点が低 かったこともあり、世界の株式市場は27%上昇した。債券のリターンも6% ~16%を記録し、2019年はバランス型ポートフォリオにとって2009年以降で 最良の年になった。米中貿易交渉と英国の欧州連合(EU)離脱プロセスの進 展や経済指標等がすべてプラスに寄与し、MSCI オール・カントリー・ワールド 指数(ACWI)は過去4週間で約4%上昇した。今後については、ファンダメンタ ルズ(経済の基礎的条件)が良好な新興国において、株式と国債の両市場に 戦術的(短期的)な投資機会を捉えることができるだろう。2020年以降10年間 の上場市場のリターンは2010年代の10年間を下回ると予想しているが、持 続可能な社会への移行やデジタル・トランスフォーメーション、水不足、遺伝 子治療の実用化等がもたらす機会など、中長期の構造的トレンドに注目した 投資を検討することを勧める。

要点:安全な債券の利回りが低い環境下では、ハイイールド債との中間にあ る債券クラスを推奨する。具体的には、戦術的資産配分で米ドル建て新興国 国債をオーバーウェイトとして5%程度の利回り獲得を目指す。株式において は新興国と中国の株式がアウトパフォームすると予想する。また、サステナ ビリティ(持続可能性)や長期投資テーマ関連からも投資機会を探ることを勧 める。

2. 設備投資よりも消費関連銘柄に注目

トランプ米大統領が中国との貿易交渉の「第1段階」合意について、1月15日 に署名すると発表したことを受けて、S&P500種株価指数は最高値を更新し た。米中間の関税はピークに達したと我々はみており、今回の合意を皮切り に関税が段階的に撤廃される可能性がある。こうした状況を踏まえ、我々は 昨年終盤に新興国株式をオーバーウェイトに引き上げ、戦術的資産配分の リスクを拡大した。ただし、米中の覇権争いは終わってはいない。緊張が再 燃するか、米中いずれかが「第1段階」の合意履行に不満を示す兆しがない か、投資家は引き続き注視していくだろう。こうした環境下では、消費支出へ の依存度が高い企業の方が設備投資関連企業よりも安定的に推移するとみ られる。

要点:設備投資関連よりも消費支出関連銘柄を勧める。ユーロ圏株式よりも 米国株式を推奨し、米国の消費財セクターも有望とみる。

3. 地政学的不確実性への対応

米国がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を空爆し殺害したこと受けて3 日、ブレント原油価格は3.6%上昇した。一方、S&P500種株価指数はピーク から0.7%下落し、1日としてはこの1カ月で最大の下げ幅を記録した。地政 学リスクの再燃で幕を開けた新年だが、過去に緊張が高まった事例を見る 限り、広範な市場への影響は短期で収束する場合が多い。石油輸出国機構 (OPEC)非加盟国の供給の伸び(主として米国とノルウェー)が原油需要の緩 やかな伸びを上回っていることから、今年は原油市場が供給超過になると見 込まれ、現段階では原油価格の急騰が続くとは予想していない。政治的不 確実性に対するヘッジとしては、中東情勢緊迫化で1.5%上昇した金の保有 を勧める。米国経済の減速と実質金利の低下も、金保有の機会コストを押し 下げる。全体としては投資を続けることを推奨するが、リスクに備えて下方プ ロテクション策を講じることも賢明である。地政学ノイズの先を見越して投資 する場合は、魅力的な非流動性プレミアムを追求してプライベート・マーケッ トに長期投資することを検討してもよいだろう。

要点:ブレント原油価格は今年半ばに1バレル=60米ドルを試す展開が予想 される。政治的不確実性に対するヘッジとしては金投資が有望とみる。下方 プロテクションを講じつつ投資を継続する戦略やオルタナティブ商品による長 期投資も、底堅い展開が期待できる。

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