構造的な消費行動のシフト
  • 我々は、消費者が体験への支出を増やす、構造的な消費行動のシフトが起きていると認識する。レジャーや、デジタルエンターテインメント(ビデオゲーム等)、ソーシャルメディアなど、我々のEレジャーのテーマに関連するトピックへの支出が増加するなかで、消費行動の転換が進むだろう。
  • 我々は、旅行やレジャー分野を通した投資を推奨すると同時に、最も接触が難しい消費者グループの1つであるミレニアル世代との関りが得られるため、ビデオゲームといった分野に新たな機会があると考える。
  • 我々の上述の投資見解は、多くの地域で消費者信頼感が過去最高水準に達している他、失業率の下落、賃金上昇、低金利といった投資環境が下支えとなる。これらは可処分所得の増加と消費支出の増大につながっている。
  • こうしたトレンドは特定の地域に限定されているわけではないので、我々はこのトレンドの恩恵を受けるグローバルな投資テーマとして「グローバルEレジャー」を設定した。ここでは、複数の業種にまたがる分散化されたアプローチを取ることを推奨する。

投資見解

単に車を所有するだけでは、もはや十分ではない。消費者は行ったことのない場所を訪れ、体験したことないことに挑戦し、友人たちとネット上で競い合い、いつでもどこでも好きな時に買い物したいと考えている。我々は、消費者がレジャーやデジタルエンターテインメント(ビデオゲーム等)、ソーシャルメディアといった体験への支出を増やす、構造的な消費行動のシフトが起きていると認識する。これにより様々な興味深い投資機会が生まれている。

例えばクルーズでは船内の娯楽と陸上の観光の両方が体験できるため、それに魅了される若者が増えている。また消費者のビデオゲームへの支出は過去最高水準に達している。新たなチャネルとビジネスモデル(Eスポーツ等)は今後数年で収益機会を高め、ゲームは消費セクターで最も魅力的な最終市場の1つになるだろう(図表1参照)。ここ数年でEスポーツ市場は2倍以上に拡大したが、我々は2020年までにさらに倍になると予想する。Eスポーツ愛好家の半数は21~35歳で、多くのブランドにとって価値の高いターゲット層であり、Eスポーツへの投資により投資家がこうした消費者層と関りを持つことができる。

マクロ経済的な観点から見るとこのテーマは、過去最高の消費者信頼感につながる失業率下落と賃金上昇の恩恵を受ける。2018年は消費者センチメントの高さが維持され、世界の消費支出が4%近い成長率を記録すると我々は予想する。特にEレジャーへの支出はそれ以上のペースで拡大するだろう。

投資家はEレジャー分野の新しい最終市場とともに、伝統的な最終市場への分散投資の機会を探るべきである。こうした分野の企業の高い増益率によって、同テーマがグローバル株式を上回るパフォーマンスを記録すると我々は予想する。

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