今後の米中関係はどうなるか?
  • 米中貿易協議の第1段階の合意により不透明感が後退し、中国株式市場のセンチメントが改善している。テクノロジー・ハードウェア、eコマース、生活必需品、不動産、銀行セクター内の銘柄を推奨し、エネルギー株、通信株への慎重姿勢を維持する。
  • 債券については、2020年のリターンを3.5~4.5%と予想する。ハイイールド債は5~7%、投資適格社債は3~4%のリターンを見込む。ハイイールド債は質の高い中国不動産の発行体を勧める。BBB格債とBB格債、そして信頼できるB格債と早期償還を促す仕組みを持つ(金利のステップアップ条項など)永久債による利回り向上を推奨する。
  • 2020年は潮目が変わり、人民元が米ドルに対して強含むものと考える。投資家は米ドル/人民元が6.8以下に下落するまで人民元のエクスポージャーをヘッジしないことを勧める。

我々の見解

2019年12月はMSCI中国指数(+7.8%)とCSI300指数(+7.0%)が共に堅調な月次リターンを示す等、中国株式市場は米中貿易協議第1段階の合意に後押しされて大きく上昇した。中国オフショア債券の12月のリターンは0.3%と安定化した。人民元は米ドルに対して1%上昇し、7.0元を下回った。2019年通年では、中国A株が38.0%(H株:+20.4%の約2倍)と非常に高いリターンを示し、一方で債券が10.4%、米ドル/人民元が1.3%上昇した。

では、今後の米中関係はどうなるのだろうか? 米中貿易協議の第1段階の合意は明るい材料であり、2020年の投資家のリスク許容度を高めることになると考える。しかし、一方で難しい構造問題(知的財産、技術移転、補助金等)が根強く残ることを我々は依然警戒している。ハイテク、金融等の他分野において米中の対立は依然リスク要因であり、投資家がボラティリティ(相場変動)継続に備えることは堅実であると考える。

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