チューリッヒ、2026年4月22日 ―スイス連邦評議会は本日、スイスに本社を置く銀行に対する特定資産の規制資本上の取扱いを定めた資本の充足性に関する規則(Capital Adequacy Ordinance:CAO)の最終案を公表しました。

これに加え、連邦評議会は、システム上重要な銀行の海外持分の資本の取扱いを規定する銀行法の改正の最終案を議会に提出しました。本提案は、通常の立法手続きを通じて今後審議される予定です。

UBSは、今回の一連の提案について強く反対します。これら提案は、極めて行き過ぎであり、国際的な整合性を欠き、政府の諮問において大多数の回答者が表明した懸念を無視するものです。仮に採用された場合、これらの措置はスイス経済に重大な影響を及ぼすことになります。

本日スイス政府が公表した資料には、誤解を招く記述が含まれていると考えられます。UBSは本情報を受領したばかりであり、連邦評議会が記者会見で示したすべての文書および発言について現在精査を行っているところです。追加的なコメントは、2026年第1四半期決算(2026年4月29日公表予定)までに行う予定です。

CAOの変更による資本への影響

新たな規則の下では、UBSの資本として計上されたソフトウェアは、経済的耐用年数にかかわらず3年以内の償却が求められます。また、プルーデンシャル・バリュエーション調整が見直されることとなり、評価の不確実性を伴う資産および負債に対する資本控除額が増加します。一時差異に起因する繰延税金資産の取扱いについては、変更されないため国際規制と整合したまま維持されます。

AT1資本証券については、国際的な議論が進行中であることを踏まえ、連邦評議会は当面、当初提案されていた調整を実施しないことを決定しました。

本日の発表によれば、プルーデンシャル・バリュエーション調整の見直しは2027年1月1日に発効し、資本計上されたソフトウェアの取扱いは2029年1月1日までに対応しなければなりません。本日発表になった修正が完全に適用されると、グループ連結ベースで約40億米ドルのCET1資本が減少することになります。これにより、UBSグループのCET1比率は0.8%ポイント程度低下します。UBS AG単体では約20億米ドルの純CET1資本への影響が見込まれます。

海外持分の規制上の取扱い修正による追加資本要件

議会審議に付される予定の海外持分に関する提案では、UBS AG単体のCET1資本から海外持分投資を全額控除することが求められます。本提案では、同修正は7年間にわたって段階的に導入され、初年度は65%の控除、以降、毎年5%ポイントずつ増加し、最終的に100%の控除となります。

海外持分を全額控除した場合、UBS AGは約200億米ドルのCET1資本を追加で積む必要が出てきます。

クレディ・スイス買収の資本への影響の推計

CAOの修正による20億米ドルの純CET1への影響を含め、UBS AGにおいて約220億米ドル追加的にCET1資本が必要となります。その結果、UBS Group AG(連結)レベルでの事実上のCET1自己資本比率は18.4%程度となります。

グループ・レベルでは、ソフトウェアの資産計上およびプルーデンシャル・バリュエーション調整に関連するCAO措置により、約40億米ドルの純CET1資本が認識されなくなることにより、CET1自己資本比率は前述の18.4%から約17.6%へ低下することが見込まれます。これにより、同業他社と比較した場合のUBSの資本の強靭さが、さらに過小評価されることにつながります。

これらの推計は、2025年12月31日現在の当社のバランスシートに基づいており、すべての資本規制措置が現在案どおりに採用されることを前提とし、CET1資本比率を、以前に開示した通り、UBS AGについては12.5%、UBS Groupについては14.0%を出発点として算出しています。

連邦評議会が示した、UBSのプロフォーマCET1自己資本比率15.5%、およびそれに付随する同業他社比較は誤解を招くものであり、さらなる解説が求められます。

上記の220億米ドルの追加資本は、クレディ・スイス買収の結果として現行の規制を満たすためにUBSが計上する必要があるとすでに公表されている、約150億米ドルの追加資本に上乗せされます。これには、クレディ・スイスに付与されていた規制上の特例を解除するための約90億米ドル、および統合後の事業規模拡大および市場シェア上昇に伴う、現行の段階的要件を満たすための約60億米ドルの資本増強が含まれています。

結果として、UBSは合計で約370億米ドルのCET1資本を追加する必要に迫られ、年間の資本コストは約30億米ドルとなります。

スイス経済全体への影響評価

提案されている銀行規制に関して連邦評議会が必須事項として行った影響評価は、スイス経済全体に対する潜在的で広範な影響を評価するものとしては、対象範囲、手法の両面で不十分さが残ります。

スイスの独立系経済研究機関であるBAK Economicsは、同機関が確立したマクロ経済モデルを用いた最近実施した調査で、海外持分をCET1資本から全額控除するという本提案による重要かつ恒久的な影響を定量化しました。この調査によれば、この特定の規制変更による借入コストおよび信用供給への影響の結果、スイスの国内総生産は10年間で最大340億スイス・フランの累積損失を被る可能性があり、さらに投資、雇用、税収の持続的な減少が生じることになります。

目標および資本還元

2027年以前に発効する規制変更がないことから、UBS Group AGは、2026年末までに(出口ベースで)特殊要因を除いたCET1自己資本利益率 約15%、同費用/収入比率 70%未満を達成するという目標を維持しています。

UBSは自社の事業モデルおよび事実に基づく熟議への貢献に対するコミットメントを継続して維持

UBSは、専門的で競争力のある証券事業とアセット・マネジメント事業を併せ持つ、真にグローバルなウェルス・マネジメントのリーダー、そしてスイスを代表する銀行として、多角化された事業モデルおよび独特の地理的プレゼンスを今後も維持してまいります。

UBSはすでに強固な資本バッファーのもとで事業を運営しており、現行のスイスの資本規制の枠組みは世界でも最も厳格な水準にあります。CAOおよび提案されている海外持分の資本についての取扱いは、この要件をさらに引き上げるものです。UBSは、提案されている海外持分の取扱いに関する議会での審議プロセスにおいて、民主的な意見公募プロセスを通じて多くのステークホルダーから提起された懸念が考慮されると期待しています。ステークホルダーは特に、スイスの家計および企業に対する重大な経済的悪影響、そして国際的に競争力のある強固な金融センターを維持する重要性を強調しています。UBSは今後も、十分な情報に基づく意思決定を支えるべく事実および分析の提供を継続していきます。

これと並行してUBSは、可能な限り顧客および従業員への影響を緩和しつつ、株主の利益を保護するために適切な措置を、引き続き検討してまいります。

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