中国株式:2021年、無視できない中国A株市場

新型コロナウイルス感染拡大をきっかけとした大混乱の2020年をいち早く乗り切った中国にとって、今年2021年は共産党建党100周年、そして新たな5ヵ年計画(第14次5ヵ年計画)の開始年という、節目の年となっています。

ビン・シー

中国株式運用チーム責任者

ポートフォリオ・マネジャー

新型コロナウイルス感染拡大をきっかけとした大混乱の2020年をいち早く乗り切った中国にとって、今年2021年は共産党建党100周年、そして新たな5ヵ年計画(第14次5ヵ年計画)の開始年という、節目の年となっています。

投資の面では、これまで中国投資に踏み切れなかった投資家にとっても、ポスト・コロナのフロントランナーである中国への投資の必要性に確信を持つようになり、各自のポートフォリオにおいて中国がひとつのコアの資産クラスとして扱われるようになる、まさに節目の年になるのではないかと考えます。

そうした中、中国A株(※1)市場の投資魅力度は極めて高く、今年はいよいよ無視できない投資対象になると考えます。

短期売買を好む国内の個人投資家が圧倒的な比率を占める中国A株市場では、変動率が高い傾向にあり、至るところに非効率性が存在します。こうした環境は、同時にアルファ獲得の豊富な機会を提供します。従って、長期的なファンダメンタルズや投資テーマに基づく個別銘柄選択を重視したアプローチに有利に働くことになります。玉石混交とも言われるA株市場への投資では的確な銘柄選択に基づくアクティブ投資が有効と考えています。

別の観点から見た中国A株市場の投資意義のひとつに、他市場との相関の低さが挙げられます。中国A株市場は先進国株式との相関が相対的に低いことから、両者を併せ持つ分散投資効果が高いことが期待されます。

グローバル投資家は先進国株式への投資と比較して中国株式への投資配分が少ない状態です。情報の不足、経験の欠如等が大きな要因と考えられますが、中国A株市場が無視できない重要な存在となった今、状況は変化し、海外から多くの資金がA株市場に流れ込むことが期待されます。

中国A株は、市場開放や主要な指数への採用が進むことでも、海外投資家からの資金流入の拡大が見込まれています。こうした動きから、これまでよりも長期的な目線でファンダメンタルズが重視される傾向となり、上場企業はガバナンスや情報開示を強化するなど、クオリティは大きく改善していくものと考えられます。

中国A株市場では今も大きな構造変化が起きています。これまで個人投資家が大半を占めていましたが、機関投資家による投資も徐々に増えており、銘柄の選別には、企業の「ファンダメンタルズ」が重視される傾向になるものと考えられます。

他地域市場との相関が低い中国 A株市場

相関係数(※2)(米ドルベース、税引き後配当込み)
測定期間: 2002 年2月から 2020 年12 月

比較指数

比較指数

MSCI北米

MSCI北米

MSCI欧州

MSCI欧州

MSCI太平洋

MSCI太平洋

MSCI中国除くA株

MSCI中国除くA株

MSCI中国A株

MSCI中国A株

MSCI EM東欧中東アフリカ

MSCI EM東欧中東アフリカ

MSCI EM中南米

MSCI EM中南米

比較指数

MSCI北米

MSCI北米

1.00

MSCI欧州

0.88

MSCI太平洋

0.77

MSCI中国除くA株

0.62

MSCI中国A株

0.36

MSCI EM東欧中東アフリカ

0.75

MSCI EM中南米

0.71

比較指数

MSCI欧州

MSCI北米

0.88

MSCI欧州

1.00

MSCI太平洋

0.81

MSCI中国除くA株

0.66

MSCI中国A株

0.36

MSCI EM東欧中東アフリカ

0.83

MSCI EM中南米

0.76

比較指数

MSCI太平洋

MSCI北米

0.77

MSCI欧州

0.81

MSCI太平洋

1.00

MSCI中国除くA株

0.67

MSCI中国A株

0.35

MSCI EM東欧中東アフリカ

0.81

MSCI EM中南米

0.70

比較指数

MSCI中国除くA株

MSCI北米

0.62

MSCI欧州

0.66

MSCI太平洋

0.67

MSCI中国除くA株

1.00

MSCI中国A株

0.60

MSCI EM東欧中東アフリカ

0.70

MSCI EM中南米

0.65

比較指数

MSCI中国A株

MSCI北米

0.36

MSCI欧州

0.36

MSCI太平洋

0.35

MSCI中国除くA株

0.60

MSCI中国A株

1.00

MSCI EM東欧中東アフリカ

0.35

MSCI EM中南米

0.37

比較指数

MSCI EM東欧中東アフリカ

MSCI北米

0.75

MSCI欧州

0.83

MSCI太平洋

0.81

MSCI中国除くA株

0.70

MSCI中国A株

0.35

MSCI EM東欧中東アフリカ

1.00

MSCI EM中南米

0.86

比較指数

MSCI EM中南米

MSCI北米

0.71

MSCI欧州

0.76

MSCI太平洋

0.70

MSCI中国除くA株

0.65

MSCI中国A株

0.37

MSCI EM東欧中東アフリカ

0.86

MSCI EM中南米

1.00

(※1)中国A株とは?
上海証券取引所と深セン証券取引所に上場している人民元建ての中国株式。元々は中国の国内投資家専用の市場であったが、 2002年、QFII(適格海外機関投資家)制度によって、一定の基準を満たす海外の機関投資家による投資が認められるようになった。その後、2014年に導入された上海-香港ストック・コネクト制度、 2016年に導入された深セン-香港ストック・コネクトにより、一部の銘柄については同制度の枠内で投資することができるようになった。

(※2)相関係数とは?
2つの資産の値動きの連動性を示す指標。プラス1からマイナス1の範囲で表される。相関係数がプラスであれば、プラス1に近づくほど2つの資産の連動性が強くなり、資産価格が同じ方向に動く。一方、相関関係がマイナス1に近づくほど逆の方向に動く。一般的には、相関係数が低い資産を組み合わせると、価格変動リスクを効率的に減らすことが期待できるとされている。