ドル円 引き続き上昇局面でドル売り

ドル円が110円超となるまで上昇する場面があれば、円に対してドルを売る魅力的な機会となるだろう。我々は米国経済の鈍化と米中貿易摩擦の長期化を背景に、中長期的には円高ドル安が徐々に進むと予想する。

18 6 2019
  • 米連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場が期待したほど米連邦準備理事会(FRB)がハト派姿勢を強めなかった場合、あるいは大阪で開催予定のG20サミットで米中貿易紛争が一時停戦に持ち込まれた場合、ドル円は短期的にドル高に振れる可能性がある。
  • ドル円が110円超となるまで上昇する場面があれば、円に対してドルを売る魅力的な機会となるだろう。我々は米国経済の鈍化と米中貿易摩擦の長期化を背景に、中長期的には円高ドル安が徐々に進むと予想する。
  • 我々は、今後3カ月、6カ月、12カ月のドル円予想をそれぞれ107円、106円、105円に据え置く。

目先の材料を受けてドル円は回復する可能性があるが、引き続き戻り売りのスタンスを維持する

ドル円は5月後半に1ドル=109円を割り込んだ。米国経済に対する下振れリスクが高まれば利下げの可能性があると複数のFRB理事(クラリダ副議長とパウエル議長を含む)が示唆したことがその背景にある。先物市場は金融緩和をすでに織り込んでおり、年末までに約65ベーシスポイント(bp)の利下げが示唆されている。これを受けて、この数週間はドル円が下落(円高ドル安方向に)した。

ドル円の短期的な見通しは2つの主要イベントに左右されるだろう。1つは、6月19-20日のFOMCを受けて、市場の利下げ期待が強まるか弱まるかである。現時点で先物市場は利下げを相当織り込んでいるため、今回のFOMCで市場が期待したほどハト派姿勢が強まらなかった場合、短期的に109-110円へと円安ドル高方向に向かうリスクが高い(訳注:19日終了したFOMCで年内利下げの可能性が示唆され、円高ドル安が進んでいる)。2つ目は、G20に合わせてトランプ大統領と習近平国家主席の会談が行われるかどうかだ(訳注:トランプ大統領は18日、習氏と会談することで合意したと明らかにした)。我々は首脳会談により米中貿易紛争が一時停戦に収まるとの期待を残しているが、現実には、合意に向けた両国の言い分に大きな隔たりがある。したがって、安心感からドルが買われても短期的なものにとどまるだろう。

投資判断

  • ドル円が短期的に110円超となるまで回復する場面では、円に対してドルを売る魅力的な機会だと考える。
  • FRBのハト派スタンスと米国経済の減速から、円に対するドルの上昇余地は限られる。下振れリスクについては、1ドル=105円を下回ると日銀が円高懸念を表明し始める可能性がある。ただし、極端なリスク回避局面では、一時的に1ドル=100円を割り込んで円高が進む可能性も排除できない。
  • ドル円が上振れする主なリスクには、FRB が再度タカ派に転じること、日 銀が想定外に大規模な追加緩和策を実施することなどが挙げられる。



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