日本株式 反発の第二波に備える

TOPIXは昨年12月25日に1,415の底値を付けて以降、1,600を上回る水準まで回復した(上昇率は14%超)。我々は今後12カ月のTOPIX予想を1,650としており、日本株の短期的な上値余地は限られるとみている。

by 居林通、小林千紗 25 2 2019
  • TOPIXは昨年12月25日に1,415の底値を付けて以降、1,600を上回る水準まで回復した(上昇率は14%超)。我々は今後12カ月のTOPIX予想を1,650としており、日本株の短期的な上値余地は限られるとみている。
  • グローバルな戦略的資産配分では日本株を中立に据え置いているが、一部の優良株はまだ割安だと考える。
  • 2018年10‐12月期(第3四半期)の企業業績は急落し、純利益は前年同期比で25%低下した。しかし、2019年度の企業業績については、「発射台」が低いことに加え、今年後半には需要拡大が見込めるため、純利益予想を従来の-2%から+1%に上方修正した。

我々の見方

日本株式は昨年終盤に大幅な下落に見舞われたが、年が明けて反発している。以前から論じているように(2018年12月13日付の日本株式レポート「変動の先に投資機会」、2018年11月22日付「一本釣りの投資戦略」を参照)、昨年末の下げは、アベノミクスと日本企業の利益成長ペースの鈍化に失望した海外投資家による、過度な売り越しによるものとみられる。今年に入り株価が回復している背景には、米中貿易摩擦への懸念後退を受け、投資家心理が改善していることが挙げられる。

TOPIXは昨年12月25日に1,415の底値を付けて以降、1,600を上回る水準まで回復した(上昇率は14%超)。我々は今後12カ月のTOPIX予想を1,650としており、日本株の短期的な上値余地は限られるとみている。我々は、ここ数週間の反発局面で銘柄推奨リスト(EPL)に含まれる一部の銘柄を売却し利益を確定した。だが、今年後半には、企業業績の回復を材料に株価上昇の第二波が到来すると予想しており、これにも備えたい。

企業の利益予想

2018年10‐12月期(第3四半期)の企業業績(ソフトバンクを除く)は悪化し、純利益は前年同期比で25%低下した。過去12カ月にわたり、我々は企業業績について慎重な構えを崩していなかったため、この結果は特段驚きではない。しかし、第3四半期の純利益が、ただでさえ弱気な-18%という我々の予想より悪かったため(市場予想は-13%だった)、我々は2018年度(2019年3月期)の通期見通しを下方修正した。2019年度(2020年3月期)の業績見通しについては、「発射台」が低いことに加え、今年後半には需要拡大も見込めるため、純利益予想を従来の-2%から+1%に上方修正した(図表1参照)。

第3四半期の純利益縮小は、会計上の理由に加え、米中貿易摩擦を背景にここ数カ月、中国の需要が急速に後退していることも一因である。たとえば、1月の中国の自動車販売は、前年同期比17%減少し、多くの中国メーカーが設備投資計画を棚上げした。これが、中国での需要増に対応するために生産余力を拡大したばかりだった日系機械メーカーの生産一時停止につながった。これにより、日本企業の業績も今後、一時落ち込むことが予想される。


 

居林通

UBS証券株式会社 ウェルス・マネジメント本部チーフ・インベストメント・オフィス
ジャパン・エクイティリサーチ・ヘッド



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