日本株式 ガバナンス強化とESG投資

環境・社会・ガバナンス(ESG)投資は、日本においても投資戦略のコア(中核)になりつつある。特に今年は日本政府が強力に後押しするガバナンス分野の改革がけん引役となり、日本の ESG 投資は世界平均を上回る速度で成長し続けるとみている。

by 居林通、小林千紗 24 1 2019
  • 環境・社会・ガバナンス(ESG)投資は、日本においても投資戦略のコア(中核)になりつつある。日本サステナビリティ投資フォーラムによると、ESGに基づく運用資産残高は過去3年間に年率2倍のペースで拡大し2018年には約232兆円に達した。
  • 特に今年は日本政府が強力に後押しするガバナンス分野の改革がけん引役となり、日本のESG投資は世界平均を上回る速度で成長し続けるとみている。
  • 日本政府は会社法の改正を検討するなど、コーポレート・ガバナンスの向上に向けた制度整備が進められている。これが日本企業のバリュエーション再評価につながり、ESG投資を加速させるだろう。

我々の見解

我々は今年も引き続き、環境・社会・ガバナンス(ESG)投資を中核的な投資戦略と捉えている。特に日本政府と規制当局が強力に後押しするガバナンス分野の改革がけん引役となるだろう。政府と投資家の双方が、透明性と説明責任の向上、株主(利害関係者)と消費者に対する公正性の改善を企業に求めている。

2018年はデータや文章の改ざんといった企業の不祥事や不正が注目を集めた。事実、2018年は77社が第三者委員会を設置し、その数は前年比78%増加した(図表1参照)。品質基準に満たない製品や文書改ざんが多大な財務損失と株価の下落につながった。こうした不祥事により、日本企業のコーポレート・ガバナンスが相対的に脆弱であることが浮き彫りになった。MSCI ESGリサーチによると、日本企業の「環境」分野と「社会」分野のスコアは世界平均を上回るが、「ガバナンス」のスコアは見劣りする(図表2参照)。我々は、これまでのレポートで、こうした評価のかい離は今後改善が期待できると指摘しており、ガバナンス・スコアが向上すれば日本でもESG投資への注目が高まるとみている。


 

居林通

UBS証券株式会社 ウェルス・マネジメント本部チーフ・インベストメント・オフィス
ジャパン・エクイティリサーチ・ヘッド



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