ドル円 円高方向を示すシグナル

3カ月、6カ月、12カ月のドル円予想をそれぞれ1米ドル=110円、107円、105円に据え置く。ドル円は、しばらくは110~115円のレンジで推移すると予想されるが、 2019年には徐々にドル安圧力が強まるだろう。2019年後半、特に、市場が消費税引き上げの影響は限定的と捉えれば、日銀の金融政策の正常化が徐々に織り込まれるだろう。

06 11 2018
  • 3カ月、6カ月、12カ月のドル円予想をそれぞれ1米ドル=110円、107円、105円に据え置く。
  • ドル円は、しばらくは110~115円のレンジで推移すると予想されるが、2019年には徐々にドル安圧力が強まるだろう。
  • 2019年後半、特に、市場が消費税引き上げの影響は限定的と捉えれば、日銀の金融政策の正常化が徐々に織り込まれるだろう。

日米金利差は2019年後半に縮小し始める

当面、ドル円は110~115円のレンジで推移すると予想するが、2019年後半にはドル安圧力が徐々に強まるだろう。我々は3カ月、6カ月、12カ月のドル円予想をそれぞれ110円、107円、105円に据え置く。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、政策金利は中立金利をわずかに下回る水準であり、利上げの経済への影響が完全に表れるには1年かそれ以上かかるかもしれないとの認識を示し、FRBは中立~ハト派的なトーンへと転換しつつある。関税が米景気成長に多少悪影響を与えると予想され、2019年には財政刺激効果が剥落することもあり、米国10年国債利回りの上昇余地は限られるだろう。これを踏まえ、米国10年国債の利回り予想を12カ月で3.2%とする。

また、日銀によるイールドカーブのスティープ化への取組み継続は、特に2019年後半に円相場を下支えするだろう。日銀は超低金利策による金融機関の収益悪化に懸念を強めている。また最近では、10~25年満期の超長期国債の買い入れ額をさらに減額すると決定した。これにより保有残高の増加額は現在の40兆円から2019年末には30兆円台へと減少するだろう。日銀は2019年末までに日本10年国債の利回り上昇を0.3%まで容認する(現在の上限は0.2%)と我々は予想する。

消費税引き上げ懸念が、2019年前半は日銀のハト派的なスタンスを下支えすると思われる。だが、税制優遇措置を含む政府支出の総額は、消費税引き上げによる家計所得の実質負担額を超過する公算が大きい。したがって、市場が消費税引き上げの影響は限定的と捉えれば、日銀の金融政策の正常化が徐々に織り込まれるだろう。

投資判断

  • 我々はFRBが利上げを継続するとみており、米国債利回りもさらに上昇する可能性があることから、ドル以外の通貨に対して円に強気の見方を維持する。
  • 1ドル=115円に近づくと、日銀は金融政策の正常化を加速しやすくなるため、ドル円は円高に振れるリスクが高くなると考える。
  • 我々の見解に反してドル円が上昇に向かう(ドル高方向に動く)とすれば、その大きな要因となるのは、米国のインフレ率の急騰または米国金利の大幅な上昇だろう。



資産運用のご相談・お問い合わせはUBS銀行へ

UBSウェルス・マネジメントでは、富裕層のお客様の資産管理・運用を総合的にサポートしております。日本においては、2億円相当額以上の金融資産をお預け入れくださる方を対象とさせていただいております。