ドル円 円は引き続き安全通貨

我々は3カ月、6カ月、12カ月のドル円レートを、それぞれ1米ドル=110円、107円、105円と予想している。米中貿易紛争の激化に備えて、グローバルな戦術的資産配分において台湾ドルに対する日本円のオーバーウェイトを維持する。

28 8 2018
  • 我々は3カ月、6カ月、12カ月のドル円レートを、それぞれ1米ドル=110円、107円、105円と予想している。米中貿易紛争の激化に備えて、グローバルな戦術的資産配分において台湾ドルに対する日本円のオーバーウェイトを維持する。
  • 主要通貨に対するドル高基調により、ドル円はしばらくは110円近辺で推移するだろう。しかし、米連邦準備理事会(FRB)の利上げサイクルが終盤を迎え、日銀の金融政策正常化が今後前進すれば、中長期的にドル円相場は(ドル安方向に)下落するだろう。
  • 円に対するセンチメントに影響を及ぼすと思われるイベントとしては、9月に予定されている自民党総裁選挙と、継続中の日米間の自動車関税引き上げに関する通商協議が挙げられる。

長期的見通しはドル安円高トレンドで変わらない

我々は3カ月、6カ月、12カ月のドル円レートをそれぞれ1米ドル=110円、107円、105円で維持している。ユーロや人民元といった主要通貨に対して概ねドル高基調であることを踏まえれば、しばらくはドル円は1米ドル=110円台の水準で下支えされるだろう。とは言え、中国景気の鈍化や米中貿易摩擦の激化を背景にリスク回避の動きが高まる状況に備え、我々はグローバルな戦術的資産配分において台湾ドルに対する日本円のオーバーウェイトを維持する。日本円は安全通貨として買われる傾向にあるからだ。

日本国内では、反射的に円安につながりうるイベントに我々は注目している。米国が検討している日本車関税引き上げの見通しと自民党総裁選挙である。総裁選は9月20日に予定されており、告示はその2週間前である。安倍首相の支持率が回復していることから、おそらく安倍首相が再選されるだろうと我々は予想している。よって、ドル円相場は安心感から緩やかに反発するだろうが、市場は総じて総裁選の結果を織り込んでいるため大きく動くことはないだろう。米国の日本車関税については日米間で協議が継続しており、貿易摩擦の先行き緩和が示唆される。国連総会に合わせて9月下旬に行われる日米首脳会談までに、事務レベルでの日米通商協議が9月上旬から中旬に予定されている。日米間で貿易協定に合意できれば、市場にリスクオンの機運が高まり、やや円安に振れるだろう。

投資見解 

  • 日本の経済環境が改善し、日銀がいずれ金融政策の正常化に動くことを踏まえると、今後は円高に動く可能性が高い。
  • 1米ドル=113円を超えてくると日銀は金融政策の正常化に向かい易くなるため、ドル円は円高に振れるリスクの方が高いと予想する。
  • 我々の見解に反してドル円が上昇に向かう(ドル高方向に動く)主なリスクは、米国のインフレ率の急騰または米国金利の大幅な上昇だろう。



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