Japanese equities デジタル決済急増の見通し

最近数カ月間、ユーザーとプラットフォーマーの双方においていくつか重大な進展が見られる。日本のデジタル決済が急増する態勢が整った背景には、主に4つの理由がある。

19 12 2018
  • 最近数カ月間、ユーザーとプラットフォーマーの双方においていくつか重大な進展が見られる。日本のデジタル決済が急増する態勢が整った背景には、主に4つの理由がある。
  • 12月に入り、新しいデジタル決済事業が立ち上がり、中旬から「100億円あげちゃう」キャンペーンを実施した。これが大好評で日本でのデジタル決済利用を促すだろう。
  • 2019年10月から日本政府は、各キャッシュレス決済につき消費者に2%(または5%)の「デジタル・ポイント」の付与を検討している。

我々の見解

日本のデジタル決済に関する我々の初回レポート(2018年8月付「デジタル決済の価値」)以降、ユーザーとプラットフォーマー(決済に利用するソフトウェアやアプリケーションなどの基盤を提供する企業)の双方においていくつか重大な進展がみられる。日本のデジタル決済が急増する態勢が整った背景には主に4つの理由があると我々は考えている。これら4つの理由と共に、2つのタイプの勝ち組について述べる。

日本のデジタル決済を押し進める1つ目の要因は、政府の支援プログラムである。日本政府は2019年10月の消費税引き上げによる経済への悪影響をプラスに変えようとしている。このため日本政府は、消費者がキャッシュレス決済を選択する場合に2%(または5%)の「デジタル・ポイント」の付与を検討している。この政策には2つの狙いがあるだろう。

1つにはキャッシュレス決済(我々の試算では現在、決済全体の20%)を進めることで、労働力不足がいくぶん緩和され、生産性の向上が期待できることだ。もう1つはキャッシュレス決済によって収集されたデータは消費者の需要を把握するのに役立つため、将来の新たな需要に対応できることだ。つまり、日本がデータ中心の次世代社会に取り残されるのではないかとの懸念から、日本政府はアナログ決済からデジタル決済への移行を積極的に後押ししているのである。

2つ目の要因は、日本の大手銀行がATMを統合して互いの顧客に開放する計画である。この結果、日本のATM台数が減少するだろう(2行は約14,000台、日本のATM全体の約11%を運営している)。我々は、その他の大手銀行も運営費用を削減するために、この共同ATM運営にいずれ参加するものと予想する。日本では、支店以外に設置するATMは不採算だとみている。マイナス金利が銀行の貸出利ざやを圧迫しているため、日本の銀行は新たな費用削減策を試そうとしている。昔の公衆電話のようにATMを探すことが難しくなるため、ATM台数の減少によりデジタル・ウォレットを持ちデジタル決済を行うメリットが高まるだろう。

3つ目の要因は、2018年6月に導入された政府の新しいクレジットカード規制である。この新規制では厳格なクレジットカード情報の管理が要求されるため、通常1回のバーコードスキャンで済むデジタル決済にとってもう1つの有利な要素になるだろう。




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