Monthly Letter 10月号 「ニューノーマル」から「モアノーマル」へ

パンデミックがピークを越えて以降、市場では破壊的技術、赤字財政、中央銀行の追加措置に牽引された「ニューノーマル(新常態)」への移行ばかりが注目されている。株式指数の最近の上昇は、ニューノーマルに関連する比較的少数の銘柄やスタイル、セクターに集中しているが、市場が目先で大幅に上昇するには、市場の注目が「ニューノーマル」から、「モアノーマル」(より正常な状況)関連銘柄へと拡大する必要がある。

2020年 9月 17日

パンデミックがピークを越えて以降、市場では破壊的技術、赤字財政、中央銀行の追加措置に牽引された「ニューノーマル(新常態)」への移行ばかりが注目されている。

株式指数の最近の上昇は、ニューノーマルに関連する比較的少数の銘柄やスタイル、セクターに集中しているが、市場が目先で大幅に上昇するには、市場の注目が「ニューノーマル」から、「モアノーマル」(より正常な状況)関連銘柄へと拡大する必要がある。特に、投資家が望んでいるのは、ワクチン開発の進展による人々の移動の持続的拡大と、米国政治の不透明感の低下だと我々は考える。どちらもいずれ実現すると思われるが、そのタイミングが不透明だ。

我々の基本シナリオでは、ワクチン開発の成功、米大統領選をめぐる不透明感の解消、米国の新たな財政刺激策の議会通過、世界的な金融緩和政策の継続などが組み合わさることで、中期的に市場全体が上昇に向かうと想定している。その結果、2021年半ばまでにS&P500種株価指数は3,700までの上昇を予想する。キャッシュを保有し、相場の大幅な調整を待っている投資家は、ワクチン開発が予想よりも早く成功した場合には買い時を失うリスクを負っている。

ワクチンの一つが承認されれば、投資家はどれだけ早く正常な世界に戻れるかを、現在よりもずっと鮮明にイメージできるだろう。しかしそれまでは、一定期間の相場変動時期を想定しておく必要がありそうだ。特に、米国大統領選挙の前に米議会で財政刺激策がまったく通過せず、米連邦準備理事会(FRB)が新たな政策措置を差し控え、コロナウイルスの新規感染者が増加して消費者と企業の景況感が悪化した場合にはその可能性が高い。米国の選挙、米中関係、ブレグジットといった一連のイベントが近づいていることもボラティリティ(相場変動)の上昇に寄与するだろう。

投資家は何をすべきだろうか。「モアノーマル」への復帰の時期を左右するワクチンや景気刺激策に関する日々の発表から市場の方向と参入タイミングを見極めようとすることは、人間の知能にもAI(人工知能)にも無理な相談である。ワクチン開発と世界的な財政・金融刺激策によって、世界経済はいずれ回復に向かうとの確信は以前よりもはるかに高まっている。長期的にはポジティブな見通しであることから、我々が最良と考える戦略は、自らの投資計画に従って投資を継続することだ。短期的に訪れる相場変動は、ドルコスト平均法による投資戦略などを用いてポジションを積み上げる機会と捉えることができる。

また、投資家は次の市場の反発を最も牽引しそうな分野に分散投資することができる。これはつまり、米国の巨大ハイテク企業への投資以外に目を向けるということであり、具体的には英国株式、米国中型株、新興国バリュー株、世界の資本財銘柄、さらには、5G(第5世代通信)とFuture of Humans(人類の未来:教育、ヘルスケア、消費者の嗜好に関する包括的な投資機会)などに関連するその他のハイテク企業などが挙げられる。

最後に、投資家はパンデミックの収束後に現れるニューノーマルを見据えて投資方針を見直す必要もあるだろう。そうしたテーマの一つとして我々が注目しているのがサステナブル投資だ。パンデミックの余波で、世界のトップ50カ国が5,830億米ドルを環境問題に投じようとしている。サステナブル投資は、我々がグローバルな個人投資家に推奨するソリューションである。

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