Monthly Letter 3月号 好材料は織り込み済み

スイス・アルプスを登る長いリフトに乗っていると、政策決定者たちの最近のハト派的コメントが、スキーヤーの熱望している降雪情報に似たものではないかと思えてくる。降雪予報は素晴らしいが、今後どれくらいの量の雪が、いつまで降るのかなど誰にもわからない。

21 2 2019

スイス・アルプスを登る長いリフトに乗っていると、政策決定者たちの最近のハト派的コメントが、スキーヤーの熱望している降雪情報に似たものではないかと思えてくる。降雪予報は素晴らしいが、今後どれくらいの量の雪が、いつまで降るのかなど誰にもわからない。2019年のグローバル株式は、いくつかの好材料がすでに織り込まれていることから、1991年以来で最もよいスタートを切っている。しかし、現時点では数多くの主要リスクが残っていることを考えると、株式のバリュエーションにさらに拡大余地があるのかとの疑問が浮上する。

しかし、我々には依然として、さらなる上昇要因が見える。世界経済は、企業利益を支える程度には力強く成長しているようだが、インフレ率の上昇や大幅な金融引き締め策の誘因となるほどではない。そして、過去の事例を振り返ると、現在のようなインフレ率、失業率がともに低い期間中には、米国株式のバリュエーションは、長期平均はもちろん、その時々の平常水準よりも高水準にあった。よって、戦術的(短期的)には株式のバリュエーションを支えるだろう。

株式の上昇モメンタムは強く、ボラティリティ(変動率)は長期平均を下回る水準まで低下し、株価は12月の急落前の水準まで戻っている。しかし、FRBの金融政策がハト派寄りに動いたことが支えとなり、米国の長期金利は反発していない。米10年国債利回りは、2018年10–12月期(第4四半期)に3.25%の天井をつけた後、株式の急落に歩調を合わせて2.55%まで低下し、その後はわずかに上昇して2.65%にとどまっている。実質金利は、11月に1.16%でピークを打ち、その後40ベーシスポイント(bp)下がっている。その点において、昨年11月号「TINAからTIARAへ」で概説した、実質金利が上昇した結果、株式に代わる投資対象が見つけられる市場となっているという議論は、今や説得力を失っているようだ。



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