Monthly Letter 11月号 チャンネルの切り替え

ブレグジットと米中貿易紛争に進展があり、投資家は地政学よりも経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)に目を向けやすくなるかもしれないが、今後も貿易が見通しに重要な影響を及ぼすだろう。

24 10 2019

英国のニュース専門局「スカイニュース」は、英国の欧州連合(EU)からの離脱問題を扱わない「ブレグジット・フリー」チャンネルを開始した。英国の視聴者は、テレビのチャンネルをいつでも切り替えられるが、投資家は、日々市場を動かすニュースから目を背けることは難しいと感じているだろう。

米中通商協議やブレグジットの条件で合意に達すれば、投資家は地政学からファンダメンタルズへとチャンネル(関心)を切り替えられるのだろうか。切り替えた先でも、落ち着いて番組鑑賞という訳にはいかなそうだ。

第1に、貿易ドラマが静まるかどうかを判断するのは時期尚早だ。米中通商協議はまだ正式な合意には達しておらず、欧州は米国による最近の関税に報復する構えを見せており、香港をめぐる米国議会での議論は状況を複雑にしている。第2に、発表されている景気指標や企業業績も強弱まちまちの状況が続いている。コンセンサス業績予想は下方修正される可能性があり、その場合、とりわけユーロ圏株式と新興国株式が影響を受けそうだ。第3に、財政出動による景気刺激策を期待する向きもあるが、景気が悪化しないと本格的な財政拡大に踏み切る可能性は低い。

以上を総合的に判断し、我々は引き続き、株価の上昇よりも投資利回りの確保を重視する。株価が過去6カ月の取引レンジを破って上昇する可能性は確かにある。たとえば、12月に予定されている米国による関税引き上げが無期限に延期されるといった、米中貿易に関する予想外の好材料や、あるいは製造業の業績回復が予想を上回るといった場合だ。しかし、バランス型のポートフォリオで好調な1年が経過した今、現在のバリュエーション、成長率、地政学的見通しを更に慎重に捉えるべきだろう。



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