Monthly Letter 6月号 米中は合意を急いでいないのか?

米国では5月2日、労働生産性の伸び率が9年ぶりの高水準を記録した。その翌日には、失業率が50年ぶりの低水準になったと公表した。しかし、上機嫌で週末を迎えた投資家は、最悪の気分で月曜日を迎えることになる。トランプ大統領は5日、中国からの輸入品に追加関税を課すとツイートし、米中貿易紛争に拍車がかかる事態となったからだ。

23 5 2019

市場の反応は、今のところ比較的穏やかだ。5月初めからの下落率は中国株式 市場が7%、米国株式が3%だが、両市場とも昨年末比ではそれぞれ16%、14% 上の水準にある(図表1参照)。ダウ平均が10%下がれば、トランプ大統領は妥 協を視野に入れ、米連邦準備理事会(FRB)は利下げを考慮し始めるかもしれな いと指摘する声はある。しかし、我々が今月米中両国に出張したところ、両サイ ドから同じ意見を耳にした。「相手側の方が失うものが多い」というのである。ト ランプ大統領は、自分に都合がよいと考えれば、発動した時と同じくらい迅速に 関税を撤廃するだろう。事態がいつ急展開しても不思議ではないのだ。しかし、 米中ともに合意に前のめりではない模様で、誤算のリスクが高まっている。


図表1 貿易摩擦の激化にもかかわらず、市場はなお年初来で上げている

出所:ブルームバーグ、UBS(2019年5月21日現在)



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