Investor's Guide 2月号 自動操縦を解除

米国自動車協会による最新の調査で、米国人の73%が自動運転車を信頼していないことがわかった。12月、FRBによるバランスシートの縮小策が「オート・パイロット(自動操縦)」で進んでいるとパウエルFRB議長が語った後に金融市場が大混乱したのも、そのせいかもしれない。市場は、昨年12月のFOMC後に1994年以来の急落を記録し、その結果、2018年は金融資産が幅広く下落した年となった。

31 1 2019

戦術的推奨

資産配分

リスク資産は12月に急落したが、今年に入り反発した。米連邦準備理事会(FRB)のトーンがハト派寄りにシフトし、中国が追加の景気対策を発表し、米中貿易協議に進展の兆しが見られたことが背景にある。経済環境はやや悪化したものの、米国の力強い労働市場と中国の景気刺激策などにより、今後数カ月の経済成長率は底堅く推移するだろう。グローバル株式のオーバーウェイトは継続するが、新興国国債のオーバーウェイトは終了してリスクを軽減する。下方リスクに備え、S&P500種株価指数のプット・スプレッド(行使価格の高いプットの買いと行使価格の低いプットの売りを組み合わせた取引)も継続する。

債券

高格付債に対する米ドル建て新興国国債のオーバーウェイトを終了する。スプレッドが我々の目標水準に近づいたため、短期的なリスク調整後のリターン見通しが低下したことに加え、各種先行指標が新興国の経済成長モメンタムの軟化を示しているためだ。日本円のキャッシュに対する日本10年国債のアンダーウェイトは継続する。日銀は、インフレ率の上昇とともに10年国債利回りの上昇を容認すると我々はみている。

株式

株式市場は、2018年12月後半に底打ちした後に反発の気配を示している。世界の経済成長モメンタムは昨年減速したが、景気指標は今後安定するとみており、我々は株式市場への強気の見方を変更しない。当月も、スイス株式に対する新興国株式のオーバーウェイトを推奨する。魅力的なバリュエーションに加え、中国の景気刺激策の影響がマクロ経済に及ぶとの期待、FRBが金融政策に関するトーンを変えたことで米ドル安が進む可能性などが根拠だ。さらに、オーストラリア株式に対するカナダ株式のオーバーウェイトも継続する。カナダ企業の業績改善と原油価格の上昇が見込まれる中で、株価バリュエーションは魅力的に見える。最後に、同じくバリュエーションを根拠に、スイス株式に対するカナダ株式のオーバーウェイトを追加する。

外国為替

スイスとノルウェーとの間で経済成長モメンタムおよび中央銀行の金融政策スタンスに乖離が見られるため、スイス・フランに対するノルウェー・クローネのオーバーウェイトを追加する。ノルウェー中央銀行は利上げを続けるが、スイス国立銀行は欧州中央銀行(ECB)が利上げに踏み切るまで待つだろう。豪ドルに対するカナダ・ドルのオーバーウェイトも継続する。今後、原油価格が上昇し、カナダ経済の成長率が回復するとみており、そうなればカナダ銀行(中銀)は利上げに動くと予想する。オーストラリアは、住宅価格の下落や融資基準の厳格化といった多くのリスクを抱えているため、オーストラリア準備銀行は2020年まで政策金利を据え置くだろう。日本円は長期的には上昇するとみている。よって、12月以降は日本株式での為替ヘッジを外し、ポートフォリオ内の基準通貨に対する日本円のロング・ポジションを取っている。



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