House View Weekly 修理は日が照っているうちに

グローバル株式は2018年下半期に現地通貨建てで16%あまり下落したが、急回復を遂げている。急上昇の結果、MSCIオール・カントリー・ワールド指数は9月に記録した過去最高値まであと5%のところに持ち直した。債券市場も好調なことから、幅広い地域および資産クラスに分散投資されたバランス型の長期ポートフォリオも高値に近付いている。

11 2 2019

今週の要点

1. バランス型投資のリターンはピークに戻りつつある

グローバル株式は昨年10‐12月期に16%下落したが、ピークまであと5%という水準まで回復している。我々の投資方針の中核である資産クラスと地域の分散投資を取り入れたバランス型ポートフォリオを展開する投資家は、さらにピークに戻りつつあるかもしれない。株価の急騰に加え、バランス型ポートフォリオは3つの要因に支えられている。第1に、高格付債が下落局面でも健闘し、昨年10‐12月期に4%近いリターンを上げたことだ。堅調な動きは今年に入っても続いており、年初来のリターンは1.1%となっている。第2に、新興国市場の資産もプラスだったことだ。米ドル建て新興国国債は下落局面で株式より早く持ち直し、11月の低水準から7%上昇している。第3に、スイスとユーロ圏の投資家を中心に、自国通貨建て資産を好むいわゆる「ホームバイアス」を回避したことが功を奏した点だ。2018年年初以降のスイス株式のリターンは1%、ユーロ圏は‐5%なのに対し、米国株式のリターンは5%近いプラスとなっている。もちろん、過去には、長期にわたって米国へのホームバイアスが裏目に出た期間もあったことに留意していただきたい。例えば、2002‐07年にかけては、米国を除く先進国の株式リターンが129%だったのに対し、S&P500種株価指数は43%にとどまっていた。

要点:長期的な分散投資アプローチならば、市場の変動も乗り切れる。

2. 足元の回復は今後の計画を立てる良い機会

我々は、現在の景気拡大局面と株式の強気相場は当面続くと見ている。とはいえ、最近の回復は次の弱気相場に備えてポートフォリオを見直す良い機会でもある。安全資産のキャッシュに逃避するだけが手段ではない。我々が最近リリースした「BearMarket Guidebook」がその参考になるだろう。同レポートでは3つの重要な点を上げている。第1に、ウェルスマネジメントに対するLiquidity(流動性確保)、Longevity(老後への備え)、Legacy(資産承継の準備)の3L*アプローチを用いて、短期と長期の目標達成を目指して適切なリスクを取ること。第2に、ポートフォリオを定期的にリバランスし、株式や債券などのリスク資産と高格付債など安全資産との適切なバランスを取ること。第3に、本格的なヘッジは割高となり、潜在的なアップサイドを損なうおそれがあるが、ボラティリティ(相場変動)が低い局面では、下振れリスクに備えたヘッジを勧める。

要点:下落局面が迫っている場面だけでなく、投資環境が良好なときにも、ポートフォリオの健全性を確認していただきたい。

3. ユーロ圏の景気回復は終了ではなく一時中断

ユーロ圏は低迷が続き、1月の総合購買担当者景気指数(PMI)の確報値は51と冴えなかった。ドイツ政府は、わずか数カ月前に1.8%に下方修正した2019年の予想成長率を、先日、さらに1%に引き下げた。イタリア経済は事実上の景気後退に陥っている。こうした動向を見れば、先物市場が欧州中央銀行(ECB)による利上げ時期を早くても2020年末頃と織り込んでいるのも理解できる。しかし、低迷は長引いているものの、ユーロ圏が景気後退に向かっているとは考えにくい。ECBは金融緩和姿勢を維持する姿勢を示唆している。企業在庫の圧縮も進んでおり、在庫調整が一巡すれば、成長は上向くと見ている。さらに、経済指標は、一時的に落ち込んでいたドイツの自動車生産がようやく回復し始めたことを示唆している。

要点:ユーロ圏は景気後退入りを回避し、今年の経済成長率は1.1%前後になると、我々は予想する。



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