House View Weekly 新年の相場上昇は続くか

グロバール株式は年初の2週間で3%台の上昇を記録し2019年の幕を開けた。今回の上昇は米中貿易紛争に対する楽観的見通し、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策軟化の兆し、米国の12月の雇用統計が好調だったことを反映した。

14 1 2019

今週の要点

1. 株価反発の持続可能性はまだ不透明

米国株式は米連邦準備理事会(FRB)のハト派的な発言と、貿易交渉の進展に関する
米中の楽観的な発言を受けて12月24日以降10%上昇し、10営業日の上昇率としては
2009年以来の大きさとなった。今回の大幅反発は、市場の下落時に動揺せずに投資
を継続する重要性を改めて示唆した。しかし、市場好転の兆しがさらに強まる一方で、
株価反発の持続可能性を見極めるためには、複数の点でより具体的な動きを確認す
る必要がある。まず、関税引き上げの猶予が切れる3月2日までに、米中貿易面で進展
があること。第2に、このところの市場の下落を受けて、FRBが追加利上げに消極姿勢を
示すこと。現時点で市場は今年の利上げ回数をゼロとして織り込んでいる。第3に、最
近の先行指標は軟化傾向にあるが、景気が減速に向かっていないことを種々の指標
で確認する必要がある。

要点:我々はグローバル株式のオーバーウェイトを維持しつつ、日本円やプットスプレ
ッドなど反景気循環的なポジションも保有し景気減速のリスクに備える。

2. FRBのハト派姿勢は人民元に有利

米中の貿易交渉の進展への期待と米国の利上げ観測が後退したことを受けて、週ベ
ースで中国人民元は対米ドルで1.9%高と、13年ぶりの上昇率となった。米連邦公開
市場委員会(FOMC)の議事録により市場の変動、世界経済の見通し、物価上昇の弱ま
りに対する当局の懸念が示されたことから、先週は主要通貨に対して米ドル売りが強
まった。短期的には、米ドル/人民元は安定し、一段の元高になる可能性も考えられる。
だが、FRBが年内に利上げする可能性は残されており、中国当局も国内景気を刺激し、
中国製品に対する世界需要減退の影響を抑えるために金融緩和措置を推し進めるこ
とから、長期的には、主に貿易加重ベースで人民元が下落すると考える。

要点:利上げ期待が再浮上するに伴い、最近の米ドルへの押し下げ圧力が弱まる可能
性がある。FRBは今年25ベーシスポイント(bp)ずつ2回の利上げを実施すると我々は
予想している。USDCNYの6カ月後の予想レートは7.20である。

3. 政府機関の閉鎖リスクが長期にずれこむおそれ

トランプ大統領と野党民主党との関係は一段と悪化し、米国政府機関の閉鎖は過去
最長となっている。だが、市場への短期的な影響は限定的とみている。1980年以降の
政府機関の閉鎖は14回に上っているが、その間もS&P500種株価指数は好調に推移
し、平均で0.4%上昇している。さらに、格付け機関フィッチは債務の上限問題が解決
されなければ、米国債の格付けを現在のAAAから引き下げる可能性があると指摘して
おり、S&Pによる2011年の格付け引き下げも意識される。ユーロ圏の債務危機に伴う
不透明感の中で米国債は上昇し、米国債への影響は不透明だったものの、当時株式
は下落した。しかし、政局が改善しないまま合意に至らず、3月1日に債務上限が復活す
れば、今年後半にも債務不履行に陥るリスクに市場の関心が徐々に移行する可能性
がある。

要点:政府機関の閉鎖が市場にもたらす短期的な影響は限られているが、債務上限
問題が再燃すれば、市場の変動が高まる可能性がある。



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