House View Weekly 好調な四半期後の相反するシグナル

グローバル株式は1-3月期(第1四半期)に現地通貨建てで12%以上上昇し、1991年以来で最高のスタートを切った。しかし、第2四半期を迎え、投資家は相反するシグナルに直面している。株式市場は米中貿易交渉の妥結、世界の経済成長の持ち直し、FRBの年内の利上げ見送りを含め、いくつか考えられるポジティブな動きを織り込んでいる。一方、債券市場はポジティブとは大きくかけ離れている。

01 4 2019

今週の要点

1. 株価の反発はなぜ続きそうなのか

投資家にとって好調だった四半期が幕を閉じた。グローバル株式は現地通貨建てで12%以上のリターンを上げ、1991年以降で最も好調な1-3月期(第1四半期)となり、国債の価格も上昇した。米10年国債の利回りは28ベーシスポイント(bp)低下して2017年12月以来の低水準となった。ドイツ10年国債の利回りは2016年以来初めてマイナスとなった。しかし、第2四半期に入り、市場には相反するシグナルが発信され始めた。米中貿易交渉の進展を含め株式市場の見通しは明るい模様だが、景気指標の軟化に対する懸念などから債券利回りは低下している。だが、我々は、景気拡大と強気相場は終焉とはならず、むしろ今後も継続すると考えている。経済成長と利益成長は長期的な低迷に突入したのではなく、減速しているだけである。米企業の利益成長率は、第1四半期は鈍化したものの、2019年通年では4‐5%の伸びを予想している。

要点:我々はグローバル株式のオーバーウェイトの一部で利益を確定した。しかし、戦術的資産配分では緩やかなリスクオンを維持する。

2. 長短金利逆転でも、投資家への脅威にはならない

米債券市場では3月22日に10年債の利回りが3カ月物財務省証券を下回り、一時はその差が8bpまで開いた。2007年以来となる長短金利逆転 (逆イールド)で、歴史的に景気後退の前触れとされる動きだ。しかし、過剰な反応は控えた方がよい。過去の事例では、逆イールドから景気後退入りするまでには、長期にわたる(しかも期間がまちまちの)タイムラグがある。1970年代以降に3カ月物財務省証券と10年債の金利が逆転した4回の局面をみてみると、逆イールド後も景気の拡大が平均1.75年間続いている。しかも、株価上昇は逆イールド後に1.6年間続き、平均40.5%上昇している。これに加え、今回は、景気後退入りのサインとしてのイールドカーブの信ぴょう性がさらに低下している可能性がある。中央銀行による債券購入が長期ゾーンの利回りを押し下げる傾向にあるからだ。

要点:歴史的に見て、逆イールドは、投資家の売りのシグナルとしての精度が低い。我々が注目する米連邦準備理事会(FRB)のシニア・ローン・オフィサー・サーベイなどの指標では、信用の拡大が続いていることを示している。2019年に米国が景気後退入りする確率は引き続き低いと予想する。

3. ブレグジットについてはヘッジが最良の戦略

英ポンドのコール・オプション(買う権利)に対するプット・オプション(売る権利)のプレミアムは、他のG10通貨に比べて最大となっている。G10通貨の中で英ポンドの下落リスクに対するプロテクションの需要が最も強いということである。これは、英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる混迷に備えた賢明な対応だと考える。メイ首相は3月29日、離脱協定案について再度議会承認を求めたが、3度目の否決となった。主導権は議会側に移り、議会は今後の道筋について合意成立を目指す。先週の一連の採決では再国民投票案と関税同盟残留案が最も支持されたが、提出された8つの代替案のいずれも過半数の支持は得られなかった。何らかの結論が出るまで英ポンドについて明確な方向性を持って投資することは避け、短期の下振れリスクに対するヘッジを推奨する。

要点:英ポンドを保有している投資家には、短期のヘッジを勧める。中長期的な不透明感から、米ドル建て新興国国債に対して英国株式をアンダーウェイトとする。



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