House View Weekly 貿易摩擦の背後にある根深い対立

米中貿易摩擦をめぐる発言は混乱し矛盾している。先週、トランプ大統領は中国との通商協定合意締結を「急いでいない」と発言したが、同日、コーン元米国家経済会議委員長は大統領が合意締結に「必死」だと発言。ライトハイザー米通商部代表は米上院に対し、中国との貿易について「合意の最終局面にある」としたものの、「主要問題」が残っていると報告した。

18 3 2019

今週の要点

1. ブレグジット:ひとまず延期

先週は英議会で連日採決が行われたが、英国のEU離脱プロセスについて具体的 方針はまだ何も決定していない。メイ首相の離脱協定案は否決されたものの、合 意なき離脱の選択肢は当面回避され、離脱期限の延期が可決された。メイ首相の 離脱協定案は今週再採決の見通しは低いが、仮に採決に持ち込まれ、否決された 場合、ブレグジットの長期の延期が必要になる可能性がある。不確実性が高い状 態が続き、最終結果が「合意ある離脱」か「合意なき離脱」かによって投資家への 影響も異なってくる。合意を伴うブレグジットであれば英ポンドは上昇すると思われ るが、市場における合意ある離脱の織り込み具合は上昇している。合意を伴う離 脱の場合、英国経済の成長率と英ポンドが上昇する可能性が高く、国内銘柄が多 いFTSE250種総合株価指数と英ポンドは好調に推移しそうだ。合意なき離脱の場 合は、経済をめぐる不確実性が高まることから、英ポンドに下落圧力が加わるだろ う。英ポンド/米ドルは1.15まで低下し、ユーロ/英ポンドはパリティ(1ユーロ=1英 ポンド)付近まで上昇する可能性がある。海外売り上げが多い企業の比率が高い FTSE100種が、国内市場中心のFTSE250種をアウトパフォームするとみられる。

要点:今後の結果の如何にかかわらず、ブレグジットがユーロ圏の企業収益に与 える直接的な影響は限定的とみられるため、我々はユーロ圏株式に対して中立 を維持する。リスク調整後のリターンの見通しが不透明なことから、我々は 新興 国の米ドル建て国債に対し英国株式をアンダーウェイトとする。

2. 貿易摩擦は覇権争いにまで発展の兆し

米トランプ大統領は中国との通商協議で合意を「急いでいない」と述べているが、 トランプ氏の元経済政策顧問は大統領が合意締結に「必死」だとしている。実際 はその中間あたりとみられるため、我々は貿易摩擦の部分的解決を基本シナリ オとしている。しかし、先週の出来事は、欧州が、米国と同様に中国の経済的な 台頭を「好機」ではなく「脅威」と捉えていることを示唆した。欧州委員会は先週、 対中関係を見直す政策文書を発表し、その中で中国は「互恵的な市場アクセス、 公平な競争環境を維持していない」と指摘し、EU域内の外国投資拡大による安 全保障上のリスクをEUがより厳格に審査するよう求めた。これを受けて、中国の 李克強首相は誠実な対応を約束した。一方、ファーウェイをめぐる問題は尾を引 いており、米国や同盟国はファーウェイの光海底ケーブル事業を警戒していると 報じられた。一方、米国は、ドイツが5Gインフラ計画にファーウェイの技術を採用 した場合、米国の情報へのアクセスを制限すると警告した。

要点:今年に入っての通商交渉の再開は朗報であり、我々のグローバル株式の オーバーウェイトを下支えするが、投資家には貿易摩擦の長期化による市場の ボラティリティ(変動率)の高まりに備えることを勧める。

3. 電動化のレースに備える

フォルクスワーゲンAGは2028年までに電気自動車を2,200万台生産すると発表 した。先週のプレスリリースによると、この計画は前回目標を50%近く上回り、計 約70種の新型モデルも売り出す。昨年の欧州での電気自動車の販売台数は全 体の1%に過ぎなかったが、電動化の流れは進んでおり、2020年以降飛躍的な 伸びが予想される。我々の推定では、2025年には電気自動車(電気自動車、プ ラグイン・ハイブリッド車、フルハイブリッド車の合計)が新車販売台数に占める比 率は25%程度まで伸びる可能性がある。自動車の動力源に加え、運転方法や 自動車の利用法も変化し、我々の中長期の投資テーマである「スマートモビリテ ィ」を後押しするだろう。

要点:電動化や自動運転に関連した電子機器と電気部品に投資機会があると見 ている。



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