House View Weekly ノイズはあるが、下支え要因も

先週はマイナス要因となる地政学的ニュースが相次いだ。インドとパキスタンとの間では緊張が高まり、米トランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長との会談は物別れに終わった。こうした中、グローバル株式はほぼ横ばいで週の取引を終えた。しかし、ポジティブな動きもあった。

04 3 2019

今週の要点

1. ノイズはあるが、下支え要因も

先週はマイナス要因となる地政学的ニュースが相次いだ。インドとパキスタンと の間では緊張が高まり、米トランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長との会談は 物別れに終わった。こうした中、グローバル株式はほぼ横ばいで週の取引を終え た。しかし、ポジティブな動きもあった。中国では全国人民代表大会(全人代)が今 週開幕し、景気対策の拡大が見込まれる。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル 議長は議会証言の中で、利上げについては「辛抱強く」待つ方針を再確認した。 日銀の黒田東彦総裁は先日、円高が進み経済に影響が及んだ場合は、追加緩 和を検討する考えを示した。株式のバリュエーションは割安とは言えず、S&P500 種株価指数は実績株価収益率(PER)ベースで17倍近辺を推移している。だが、 失業率やインフレ率の低さを考慮すると、割高な水準でもない。過去を見てみ ると、失業率と消費者物価指数の上昇率を加算して算出される「悲惨指数」が 6.5%未満だった局面でのPERの中央値は19倍だった。

要点:政治面のノイズ(雑音)よりもファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を重視 する方が、中長期的には賢明だろう。我々はグローバル株式のオーバーウェイ トを維持しつつ、下振れリスクに備えてS&P500種株価指数のヘッジを継続する。

2. 英ポンド高でも慎重姿勢を忘れない

英国では2月27日に行われた議会の採決で3月末の合意なきEU離脱のリスク が低下したことから、英ポンドは対ユーロで2017年5月以来の最高値をつけた。 しかし、英ポンドには依然下振れ余地があるため、この反発相場を追いかけすぎ てはいけない。合意なき離脱の可能性は依然として残っており、もしそうなった場 合の影響は大きく、英ポンド/米ドルは1.15に低下し、ユーロ/英ポンドはパリテ ィ(1ユーロ=1英ポンド)に近い水準まで上昇するだろう。さらには、総選挙の可能 性もある。総選挙は合意なき離脱シナリオほど悪材料ではないものの、英ポンド が現在の水準から下落するおそれがある。

要点:英ポンド/米ドルが1.24以下、ユーロ/英ポンドが0.92以上になれば、 英ポンドの魅力的な買い場となろう。今後数週間の不確実性を考慮して、英ポン ドの下振れリスクに対するヘッジを推奨する。

3. OPECがトランプ大統領のツイートに耳を貸す可能性は低い

トランプ大統領が2月25日に「OPECよ、落ち着いてほしい。世界は原油価格の値 上がりを受け入れられない」とツイートすると、ブレント原油価格は1日としては1年 で最大の下げ幅となる3.5%の下落を記録した。ブレントとWTIの価格は年初来で 20%以上上昇しているが、この先数カ月で原油価格がさらに上昇すると考えられ る理由もある。トランプ大統領が昨年、イラン産原油の禁輸を含む対イラン制裁 復活を表明すると、OPEC(石油輸出国機構)加盟国は市場の需給バランス均衡の ため増産に転じた。だが、その後トランプ大統領は禁輸に適用除外を認めため、 原油安は加速し、2桁台の下落率を記録した。今回、OPEC加盟国と非加盟主要産 油国は増産に慎重になる可能性が高く、サウジアラビアは協調減産を続けること を示唆している。ベネズエラに対する制裁措置も原油の供給に響いており、ベネ ズエラの原油輸出は50%近く減少し日産117万バレルまで落ち込んだ。先週の米 国の原油在庫の大幅な減少や国際エネルギー機関(IEA)が今年の世界の原油需 要が日量140万バレル増加すると予想していることからも、原油の需要は底堅い。

要点:我々は原油価格の上昇見通しなどを背景に、ユーロ圏のエネルギー株を 推奨する。



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