House View Weekly 増益率の低下=業績リセッションではない

投資家は米国企業の増益率の急速な伸びに慣れてしまっている。2018年の1株当たり利益は23%増が見込まれ、過去10年間では平均12%増(複利ベース)に達した。しかし、最近になってモメンタムは鈍化し、「業績リセッション」さえ話題になっている。個別企業の予想に基づくアナリストのコンセンサスは、それほど警戒すべき内容ではない。増益率は1‐3月期は‐0.4%、4‐6月期は1.8%の緩やかな伸びが予想されている。

18 2 2019

今週の要点

1. ユーロは対米ドルで今後反発を見込む

欧州の景気減速は予想以上に長引いている。先週発表されたユーロ圏の昨年 12月の鉱工業生産は2009年以来の水準に落ち込み、ドイツの2018年10‐12月 期GDP成長率は0.02%と、景気後退期とみなされる「2期連続マイナス」をかろう じて免れた。欧州中央銀行(ECB)のタカ派メンバーさえ慎重になり、オランダ中銀 のクノット総裁は「模様眺め」に転じ、ドイツ連銀のワイドマン総裁は現在の減速 は当初の想定よりも「長引いている」との認識を示している。こうした景気減速見 通しを背景に、ユーロは対米ドルで1月の高値から2.5%下落した。しかし、足元 の米ドル上昇は今後、反落すると我々はみている。2年国債の金利差は11月に 記録した過去最高の354ベーシスポイント(bp)から現在は306bpに縮小してい る。米国の財政刺激策による景気押し上げ効果も今年は弱まり、一方で、米国の 財政と経常収支の「双子の赤字」が米ドルの重石となる可能性が高いからだ。

要点:ユーロ/米ドルが1.10‐1.125付近まで低下すれば、魅力的な買いの機会と なるだろう。我々は6カ月予想を1.15、12カ月予想を1.20とする。

2. 中国投資を継続する理由

中国の1月の輸出は前年同月比+9%と予想外に増加し、輸入も事前予想ほど落 ち込まなかった。1月の好調な数字は、春節休暇と米国の関税発動懸念から企 業が出荷を急ぎ、輸出を押し上げた公算が大きい。したがって、減速が続いてい る中国経済について明確な見通しを得るには、数カ月の統計が必要である。た だし、経済の減速は経済の失速と同義ではない。1月の信用拡大が示すように、 中国当局は財政と金融の両面から景気対策を講じている(預金準備率はさらに 100‐200bp引き下げられると予想する)。中国株式に関する悪材料は、昨年来、 株価にすでに織り込まれている。さらに、報道によれば、トランプ大統領が「交渉 を継続する時間的な猶予を与えるため」、3月1日に迫った通商協議期限を60日 延長することも検討しているという。

要点:我々はアジアのポートフォリオの中で中国株式を推奨する。年初来13%上 昇したとはいえ、バリュエーションは引き続き魅力的である。

3. キャッシュのまま保有しない

米政府機関の一部閉鎖はひとまず解除されたが、英国のEU離脱、米中貿易摩 擦、米国の信用収縮といった他のリスクは依然としてくすぶっている。こうした不 確実性に直面すると、投資時期の判断に迷う。特に、事業を売却したり、定年退 職したり、まとまった資金が手に入った場合などは、なおさらである。しかし、1つ だけ確かなことがある。キャッシュで保有するのは長期的にはマイナスということ だ。2009年以降、米ドルの購買力は15%低下した。我々の最新のレポートは、 多額のキャッシュを保有する人が長期的な投資目標を達成する上で有益な戦略 を紹介している。歴史的に見れば、市場への直接投資が最も効果的である。例え ば、S&P500種株価指数は、最高値から5%以内の範囲で推移した期間が全期間 の60%を占め、前回のピークから20%超下落した期間は12%にとどまっている。 また、「一気に投入」するのではなく、(国債など)価格変動が少ない資産に徐々 に投資しつつ、リスク資産に投資する計画を適切に立てれば、投資時期を誤るリ スクも少ない。

要点:多額の資金をキャッシュで寝かせるよりも、様々な投資の選択肢を検討す ることを勧める。



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