House View Weekly 目覚ましい相場の回復

12月の相場の下落は幅広い資産クラスに及んだという点で、2018年は記録に残る下落の年となった。12月は18の主要資産クラスのうち11の資産がマイナスリターンを記録し、6つは下落率が5%を上回った。しかし、忘れたい12月を経て、1月は記憶に残る月となり、市場は年末につけた損失のかなりの部分を取り戻した。

04 2 2019

今週の要点

1. 辛抱強さと経済指標重視が株価上昇を牽引

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の就任以来、米連邦公開市場委員会 (FOMC)の政策決定日にS&P500種株価指数は7回連続で下落した。だが、1月30日 は、議長就任後初めて上昇した。FRBが利上げを見送り、委員会で利上げに「辛抱強 くいられる」と強調し、「段階的な利上げ」の必要性への言及をやめると、同指数は 1.6%上昇した。現在、米国の失業率は4.0%とほぼ50年ぶりの水準に低下し、労働 市場はひっ迫しており、成長率も潜在成長率を上回っている。しかし、現時点でイン フレ率はFRBが目標とする2%近くで推移しているため、一段の利上げへのバイアス はないと考えている。金利政策は利上げ、利下げのいずれの方向であっても、妥当 な理由が必要である。FRBが利上げ再開を検討する理由として最も可能性が高い のは、インフレ率が目標を上回ることだろう。

要点:FRBが利上げは経済指標の内容次第であると明言したことで、グローバル 株式市場は12月の安値から12%回復した。一方、債券利回りは低水準を維持し、 分散投資のポートフォリオを下支えた。

2. 市場の痛みはある程度和いだ

12月の急落で、2018年はほとんどの主要資産クラスがマイナスとなった。 だが、FRBが利上げは経済指標の内容次第と明言したことや、米中貿易交渉をめぐ る楽観論、米国の10‐12月期(第4四半期)の企業業績が懸念したほど悪くなかった ことなどから、1月に入ると持ち直した。事実、1月はすべての主要資産が上昇した。 グローバル株式は12月に7.3%下落した後、1月に反発し7.2%上昇した。12月に 平均25.4だったインプライド・ボラティリティ(VIX指数)は16.5に低下した。WTI原 油価格は11%近く下落した12月から1月には18%上昇し、1980年代以降で最良 の1月となった。米国ハイイールド債のスプレッドも、104ベーシスポイント(bp)拡大し た後、97bp縮小した。市場混乱時の代表的な安全資産も好調なパフォーマンスを 発揮し、米国10年国債の利回りは2.70%未満で推移、金は4カ月連続で上昇した。 一方、急落した日米の株式は一部で反発が出遅れている。

要点:12月と1月は、混乱の中でも投資を継続することが重要であると同時に、 分散投資をすればパフォーマンスが最悪の資産への過度のエクスポージャーを防 げることが確認された。我々はグローバル株式へのオーバーウェイトを維持する。

3. 貿易交渉は依然として進展せず

1月31日に終了した米中通商協議は、交渉を続けることで合意した。トランプ大統領 は会談が「順調に進んだ」と評価したが、大統領と習近平国家主席が「近い将来に」 会談するまでは最終的な合意はないとの認識を示した。ただし、米国が中国に知的 財産権の保護などの構造改革を求めるのに対し、中国は習主席とトランプ大統領の 個人的な関係を頼りに有利な条件を引き出そうとする姿勢がうかがえるなど、両国 の隔たりは依然として大きい。報道によると、ライトハイザー米通商部代表とムニュ ーシン財務長官が率いる米代表団が、通商協議のため2月中旬に中国を訪問する 見通しで、トランプ大統領と習主席の首脳会談が2月末に開催される可能性もある。 とはいえ、通商協議は貿易問題にとどまらず、米中の覇権争いの前哨戦として注視 する必要があろう。

要点:市場は、貿易問題にとどまらず、長年にわたる米中の覇権争いを注視する 必要がある。その場合、ボラティリティ(相場変動率)が高止まりする可能性が高 いことから、ヘッジと反景気循環的なポジションを保有することを勧める。



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