House View Weekly ブレグジットにどの程度警戒すべきか?

先週、メイ首相のEU離脱案は近年の英国議会最大の大差で否決された。議会はメイ首相が提出した離脱案を賛成202票、反対432票で否決し、野党労働党から内閣不信任案が提出された。不信任案は否決されたものの、その差はEU離脱が決まった国民投票の52%対48%と同じ僅差だった。

21 1 2019

今週の要点

1. ブレグジットをめぐる動きが相次ぐが、先行きはなお不透明

英議会は先週、メイ首相が欧州連合(EU)と合意した離脱協定案を、歴史的大差で否 決した。不信任決議案は僅差で否決されたものの、メイ首相は1月21日に代替案を議 会に提出。議会は合意なき離脱を回避したい意向で、英国が3月29日に合意なしに離 脱するリスクは後退していると我々は考える。ポンドのオプション価格も、投資家がそ うしたシナリオの可能性が低いことを織り込んでいることを示唆している。「ノルウェー 方式」のような穏健的な離脱交渉、解散総選挙、2回目の国民投票など、他のどの選択 肢を取った場合も、離脱期限の延期は必至だろう。

要点:英国資産について明確に方向性を定めたポジションを取ることは推奨しない。 個別の政治リスクに過剰にさらされないためには、分散投資が最適である。英国に投 資する投資家は、どのようなブレグジットのシナリオであっても持ちこたえられるよう、 幅広いセクターにわたって高配当株を選別するよう勧める。

2. 当面はファンダメンタルズに回帰

英国のEU離脱(ブレグジット)をめぐる混乱と米国政府機関の閉鎖が程なく解決す る兆しはなく、投資家の関心は相次ぐ悪いニュースの方へと移った。しかし、先週は S&P500種株価指数が2.9%上昇し、米国債のインプライド・ボラティリティ(予想変動 率)も約2年ぶりの水準に低下していることから、投資家のリスク選好度が再び高まり、 ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)に再び注目が集まっていることがうかがえ る。S&P500種は12月の安値から13%回復した。米国の10‐12月期の決算発表シーズ ンは順調にスタートし、これまで決算を発表した企業の75%が市場予想を上回り、増 益率は我々の予想(15%増)とほぼ同水準となっている。一方、中国では、財政刺激策 を受けてCSI300指数が先週2.4%上昇した。とはいえ、反発が持続するためには、米 連邦準備理事会(FRB)がハト派姿勢を維持し、米中の貿易協議で具体的な進展がみら れ、経済統計が安定することが必要である。

要点:グローバル株式をオーバーウェイトにしつつ、ボラティリティに備え反景気循環 的なポジションでバランスを取ることを勧める。

3. 一部の課題は投資機会につながる

現時点の政治的課題が解決したとしても、いずれ次の課題が表面化する。しかし、不 要な政治的ノイズ(騒音)を取り除き、将来に備えるスタンスがあれば、投資機会は依 然として豊富に見出せる。2018年は世界のクリーンエネルギー投資が3,320億米ドル となり、前年比で8%減少したというニュースは、一見すると、国連が掲げる17の持続 可能な開発目標(SDGs)の1つであるクリーンエネルギーへの移行が減速している印象 を受ける。しかし、詳しく見てみると、世界における風力・太陽光発電の新規プロジェク トは実際には増加しており、投資額が減少したのはコストが低下したからにほかなら ない。再生可能エネルギーは世界の発電構成比を変容させていると我々は見ており、 近い将来、この変化は一段と加速すると予想する。風力、水力、太陽光発電は特に成長 が期待でき、開発企業と風力タービンメーカーには多額の投資が見込まれる。

要点:世界経済フォーラムに合わせてUBSが発行した最新の白書で、国連のSDGs達成 要件を概説した。我々の長期投資テーマに沿ったクロスアセットのサステナブル(持続 可能な)投資は、投資家がこうした目標達成に貢献できる機会を提供する。



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