House View Weekly 2019年の戦略

昨年のことを懐かしく思い出す投資家は少ないだろう。19の主要資産のうち好調に推移したものは皆無だった。一方、今年は年明け早々悪いニュースが相次いだ。中国の低調な経済統計と米アップルの業績の下方修正から米中の新たな貿易摩擦と米連邦政府機関の閉鎖の長期化まで、一連の報道は今年の見通しが不安定で厳しいものになるという我々の見解を裏付けている。

07 1 2019

今週の要点

1. 不調の2018年が終わり、一条の光

昨年は好調に推移した主要資産クラスが皆無だった。実際、我々がカバーしている19の主要資産クラスのうち(多少でも)プラスのリターンを上げたものは2つにとどまった。昨年は下落が広範囲にわたったという意味で、数十年来で最悪の年になった。リーマンショックに見舞われた2008年でさえ、リターンが上昇して年を終えた資産クラスが3つ存在した。株式市場は強気相場で年を終える寸前で下落した。米国株式は2018年年央までで10%近く上昇していたものの、年末には前年末比で6.2%安となった。世界的にはユーロ圏と新興国株式も下落し、とりわけ中国市場は22.7%と最も大きく下げた。しかし、長期的に見れば、過去2年間で19の資産クラスのうち16がプラスリターンとなっている。さらに過去3年間のMSCIオール・カントリー・ワールド指数は年平均6%のリターンを挙げている。

要点:新年にあたり、我々は反景気循環的なポジションでバランスを取りつつ、グローバル株式市場をオーバーウェイトとする。

2. 新旧の不安材料とともに始まった新年

休暇から戻った投資家は相次いで悪いニュースに見舞われた。今年最初の取引日に発表された中国の12月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は19カ月ぶりに50を下回り、景気の縮小を示した。米国のISM製造業PMIはコンセンサス予想を大きく下回り、特に新規受注が大幅に低下した。米テクノロジー大手のアップルは2018年10-12月期の業績見通しを約10%下方修正したため、株価が大きく下落し、市場ではスマートフォンの需要がピークを打ったとの懸念が再び浮上した。米中の貿易摩擦と米連邦準備理事会(FRB)による利上げをめぐる昨年来の不安材料も払しょくされていない。株式はいずれこうした懸念を克服すると我々は予想するが、短期的には反景気循環的なポジションでこうしたリスクに備える必要がある。一方、安全資産は好調に推移している。米国10年国債利回りはこの1カ月で33ベーシスポイント(bp)下落して2.6%となり、ドイツ10年国債利回りも2017年4月以来の水準に低下した。もう1つの安全資産である円は、米ドルに対する1日の上昇率としては2年半ぶりの大きさを記録した。明るいニュースとしては、米国の好調な雇用統計とFRBの今後の利上げに対する柔軟な姿勢を受けて、1月4日にS&P500種株価指数が3.4%上昇したことが挙げられる。

要点:ボラティリティ(市場の変動)が弱まる兆しは見えない。投資家には、プロテクションとしてヘッジや反景気循環的なポジションの保有を勧める。

3. バリュエーションの魅力がさらに高まっている

厳しい市場環境の中、株式のバリュエーションは一段と魅力が高まっている。グローバル株式の予想株価収益率(PER)は2017年末の16.3倍に対して、昨年末は12.9倍だった。国債価格の上昇を受けて、債券に対する株式の魅力度を示す株式リスクプレミアムも改善した。株式のリスクプレミアムは昨年1月の4.6%から現在は6.1%に上昇している。バリュエーションは不安定な市場ではあまり下支えとはならないが、たとえ短期的にボラティリティが高止まりしたとしても、長期的に見れば現在の水準は魅力的なエントリーポイントと考えられる。

要点:投資家には、ポートフォリオのリバランスを行い長期リターンの最適化を図ることを勧める。



資産運用のご相談・お問い合わせはUBS銀行へ

UBSウェルス・マネジメントでは、富裕層のお客様の資産管理・運用を総合的にサポートしております。日本においては、2億円相当額以上の金融資産をお預け入れくださる方を対象とさせていただいております。