Monthly Letter 11月号 TINAからTIARAへ

我々は、TINA(There is no alternative:投資の選択肢が他にない)市場からTIARA(There is a real alternative:本当の選択肢が他にある)市場へと移ろうとしている。これは株式、ひいては読者のポートフォリオにとってどういう意味があるのだろうか?

25 10 2018

我々は、TINA(There is no alternative:投資の選択肢が他にない)市場からTIARA(There is a real alternative:本当の選択肢が他にある)市場へと移ろうとしている。これは株式、ひいては読者のポートフォリオにとってどういう意味があるのだろうか?

過去10年を振り返ると、資産の拡大は概ね株式の買い持ちによるものだったと言っても過言ではない。中央銀行による景気刺激策で、キャッシュと債券の利回りはインフレ率を大きく下回り続けた一方で、巨大テクノロジー企業の売上高の伸び、税負担の低下、低い借り入れ費用が株価を支えた。グローバル株式のリターンはインフレ率を年率9.3%上回ったが、キャッシュはインフレ率を0.8%下回った(米ドルベース)。つまりこの10年は、株式以外に投資対象のないTINA市場だった。

しかし、今は他に投資対象を見つけられるTIARA市場へと移ろうとしている。好調な景気指標を背景に景気刺激策が徐々に後退し、中央銀行のバランスシートの規模はピークを越えつつある。当月は債券が急落して米10年国債の実質利回りが1.03%と7年ぶりの高水準に押し上げられ、米国のキャッシュ利回りは来年末までには3%に達する勢いで上昇している。実質リターンがプラスで株式よりも価格変動の小さい投資対象が現れたため、一部の投資家は、株式市場の現在のボラティリティ(変動率)に耐えるだけの価値があるのか疑問視し始めている。以上のような懸念が頂点に達して株式市場が最近急落し、グローバル株式市場は2月以来で最悪の週を記録した。

本レターでは、市場環境のこうした変化によるポートフォリオへの影響を考察し、今後数カ月を見据えて考えられる主な上昇シナリオと下落シナリオに目を向けることにする。




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