House View Investor's Guide 9月号 消耗資産

トランプ政権は昨年発表した戦略文書の中で、中国の経済成長と影響力に関する幅広い懸念を表明している。攻撃的な米国の通商政策の影響で、中国当局による秩序ある債務削減の取り組みは今後難しくなるだろう。中国からの資本流出、外貨準備高、経済成長率は、中国への圧力がグローバル市場に波及するかどうかを示す指標となるだろう。地政学リスクが高まる中、我々はグローバルな戦術的資産配分を概ねニュートラルに据え置く。

30 8 2018

戦術的推奨

資産配分

この1カ月はトルコ情勢の悪化により、新興国資産と欧州の金融セクターが軟調な展開となった。他の新興国はトルコとの直接取引や投資が限定的であるため、市場への影響の大半はセンチメント主導だと我々はみている。世界経済は引き続き堅調な成長を示しているが、市場の注目は依然として貿易紛争問題の行方に集まっている。米国は2,000億米ドル相当の中国製品に25%の追加関税を課すことを検討しており、これに対する報復措置の可能性が高まっているからだ。米国と世界各国間の貿易紛争は、貿易に関する新たな合意がなされるまでさらに激化すると我々は予想している。よって、リスク資産にはおおむね中立のスタンスを維持する。具体的にはグローバル株式を若干のオーバーウェイト、新興国国債をオーバーウェイトとし、カウンター・シクリカルな(反景気循環的)ポジションでバランスを取る。

債券

株式と高格付債の組み合わせに対する欧州ハイイールド債のアンダーウェイトを継続する。高格付債に対しては、米ドル建て新興国国債のオーバーウェイトを維持する。過去1カ月のスプレッドの拡大はトルコ情勢懸念が主な要因だが、トルコは十分に分散された新興国国債指数のわずか3.3%しか占めていない。同資産クラスの利回りは6.5%と魅力的で、新興国の経済サプライズ指数も低水準から回復した。さらに、米ドルキャッシュに対し米10年国債をオーバーウェイトとしている。イールドカーブは利上げサイクルを織り込み済みで、金利収入は魅力的だからだ。一方、日本円のキャッシュに対して日本10年国債をアンダーウェイトとしている。日銀はインフレ率の上昇とともに10年国債利回りのさらなる上昇を容認すると考えられるからだ。

株式

米国の4-6月期(第2四半期)決算シーズンでは、前年同期比25%増益という力強い業績が発表された。好調な企業収益に堅固な経済成長率が相まって、米国とグローバル株式全般の下支え要因となった。しかし、貿易紛争は長引いている。2,000億米ドル相当の中国製品への追加関税が予定されているが、9月にはその発動に関する新たな動きが発表される見込みだ。最近は米ドル高が続き、中国の景気指標がやや軟化するなど、新興国株式は厳しい投資環境に直面している。以上を背景に、欧州ハイイールド債に対するグローバル株式と高格付債券の若干のオーバーウェイトを維持する。

外国為替

台湾ドルに対する日本円のオーバーウェイトを維持する。日本円のオーバーウェイトは、日本のインフレ率の上昇を受けて日銀が10年国債利回り目標を引き上げるか、世界の金融市場が下落して安全通貨としての日本円への需要が高まるかのいずれの場合でも恩恵を受けるだろう。一方、台湾は米国発の貿易紛争による影響を非常に受けやすい。




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