Investor's Guide7月号 後半戦に備える

2018年前半のグローバル株式は何とか年初来で上昇となった。政治・経済の両面で懸念材料は多かったものの、経済成長率と企業収益の力強い伸びによる上昇圧力がそれを上回った。様々なリスク、とりわけ貿易摩擦の悪化リスクに加え、欧州中央銀行(ECB)が量的緩和政策から撤退した後のユーロ圏経済の成長鈍化と米国景気の過熱に関する懸念は今年後半も収拾しそうにない。

28 6 2018

戦術的推奨

資産配分

米中間の貿易緊張と欧州の政治状況をめぐる 懸念が表面化し、この1カ月の金融市場は大き く変動した。しかし世界の経済成長見通しは堅 固で、株価上昇を十分に支えられそうだ。米連 邦準備理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)は 金融政策の正常化の道をさらに進めた。ECBは 資産購入プログラムを12月に終了する意向を 示すとともに、政策金利は少なくとも「2019年夏 が終わるまで」は現在の水準に据え置く見通し を発表した。我々は、FRBが今後数四半期は四 半期に0.25%ずつ利上げを実施するとの見方 を変えていない。ECBは2019年9月に最初の利 上げを実施すると予想される。現在の環境は不 透明感が高いため、我々は新興国資産のオーバ ーウェイト幅と米ドルのアンダーウェイト幅を 縮小する。一方、債券に対しグローバル株式の オーバーウェイトを維持する。良好な経済成長 見通しが堅固な企業収益の伸びを支えるから だ。

株式

企業収益が前年比およそ15%増と、グローバル 株式を支えている。グローバル株式市場のおよ そ半分を占める米国企業は、減税、財政支出拡 大策、健全な国内外の需要の恩恵を受けてい る。株価収益率(PER)でみると、グローバル株式 のバリュエーションは長期平均並みである。よっ て、債券に対するグローバル株式のオーバーウ ェイトを継続する。スイス株式に対するカナダ 株式のオーバーウェイトは最近大幅にリターン が上昇したため、利益を確定した上でこのポジ ションを終了する。さらに、オーストラリア株式 に対する新興国株式のオーバーウェイトを終了 する。新興国株式は、貿易加重ベースの米ドル の上昇により株価が抑えられ、リスクが上昇し た。

債券

グローバル株式に対する欧州ハイイールド債と 高格付債のアンダーウェイトを維持する。高格 付債に対する米ドル建て新興国国債のオーバー ウェイト幅は引き下げる。新興国経済は現在も 一定のペースで成長を続けており、インフレ率は 比較的低水準を維持している。しかし、経済活動 の鈍化の兆候がみられることに加え、大国の一 部に固有の問題が勃発し目先のリスク調整後リ ターンの見通しがやや悪化したため、ポジション を減らした。米ドルのキャッシュに対し米10年国 債をオーバーウェイトとする。これは、魅力的な 金利収入を期待できるポジションだ。一方、日本 円のキャッシュに対して日本10年国債をアンダ ーウェイトとしている。利下げの可能性は低く、 日本銀行は長短金利操作(イールドカーブ・コン トロール)の目標金利を今年後半に引き上げる 可能性が高いからだ。

外国為替

米ドルに対するカナダ・ドルのオーバーウェイト を終了する。貿易摩擦が悪化し、北米自由貿易 協定(NAFTA)の再交渉が暗礁に乗り上げたた め、このポジションは利益よりもリスクが高いと 判断する。米ドルに対する日本円のオーバーウ ェイトは継続する。世界景気が回復し、世界と 日本でインフレ率が上昇するとこのポジション からの利益が期待できる。リスク回避的な投資 環境に陥った場合も、日本円は安全通貨として の側面が見直されるため、このポジションは利 益を得るだろう。台湾ドルに対するインド・ルピ ーのオーバーウェイトも継続する。このポジショ ンはおよそ7.5%という魅力的な金利収入を提 供するとともに、貿易戦争のリスクに対する一定 のヘッジとなる。台湾はインドよりも世界貿易の 影響を受けやすいためだ。

 




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