アジア太平洋への投資 2019年APACの見通し:荒波を乗り越える

2018年はアジアの市場にとって予想以上に厳しい年となった。米中貿易摩擦の激化、中国の債務削減、世界経済の成長ばらつきが主な原因と考える。景気サイクルが成熟化するなかで、2019年のリスク調整後リターンは一段と低下すると予想される。しかしながら、依然として投資機会は生まれるとみており、選別、分散、明確な長期投資計画により難局を乗り切ることができると考える。

05 12 2018

2019年ならびに2020年以降の投資アイデア

株式:過度に売られた金融株とテクノロジー株、配当利回りが安定的な銘
柄、中国の景気対策の恩恵を受ける銘柄に着目したい。一部の金融ならびに
テクノロジー・セクターを選択することで魅力的なグロース株とバリュー株の
組み合わせを提供し、シンガポール、香港のREIT等、健全なバランスシートと
持続可能な配当性向の実績を有する高利回り株式は底堅い動きをみせると
期待する。また中国インフラ・セクターや素材セクターと関係の深い企業や、
保険会社、一部の地銀等、国内市場のエクスポージャーが大きい企業も魅力
的と考える。

アジア・クレジット:ハイイールド債は依然としてリスクを取る価値があると
みている。アジア・クレジットの2019年のトータル・リターンは約3~4%と予想
する。銘柄は選別が必要であるが、利回りは投資適格債が5%、ハイイールド
債が9%と魅力的である。中国不動産開発企業の短期ハイイールド債、特定の
BBB格債発行体、金融機関のTier2債、永久債(高水準のステップアップ金利付
き)、一部の中国国有企業は魅力度が高いと考える。

アジア通貨:リターンを得るためにはリスクを取る必要がある。2019年末
の米ドルに対するアジア太平洋通貨の水準は足元のレベルと大きく変わ
らないと予想する。しかし、年を通して横ばいの動きとはならないであろう。
短期的には下落し、その後米連邦準備理事会(FRB)が利上げの打ち止めを
示すと上昇するとみている。但し、米ドル/人民元は独自の動きをすると考
える。今後数カ月は貿易紛争の一時休戦により7.0を上回る可能性は低い
が、2019年末までに7.3まで徐々に上昇すると予想する。

2020年以降:サプライチェーンのシフト、破壊的な影響をもたらすイノベー
ションの長期的な成長、企業の環境・社会・ガバナンス(ESG)問題への取り
組み強化を予想する。サプライチェーンの分断により、ベトナム、次いでタイ、
マレーシアが恩恵を受けるであろう。消費者の需要軟化と規制はテクノロジ
ー株にとって当面の逆風ではあるが、ゲームやバイオ・テクノロジー等のセ
グメントは長期投資家に対して魅力的な投資価値を提供するものであり、
長期見通しは良好と考える。プライベート市場は、AI(人工知能)やヘルスケア・
テクノロジー等の成長領域のエクスポージャーを持つ上で有効な市場とみて
いる。投資家は日本のESGリーダーも検討することができる。
 



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