House View Weekly 不確実性が高まった世界でポートフォリオを守る

夏季休暇に入る前に、いかに潜在リスクや突発事項からポートフォリオを守りつつ、長期的成長を目指すことができるのか検討したい。我々は5つの投資戦略が検討できると考える。

09 7 2018

今週の要点

不安定だった今年上期が終わり、ポートフォリオの強化が改めて必要になっている

ほとんどの投資家は2018年上期を前向きな気持ちで振り返ることはなさそうだ。 米国の大型成長株と小型株を除いて、すべての主要資産クラスの上期のリターンは 1桁台前半かマイナスだった。グローバル株式のボラティリティ(変動率)に対する リターンの比率は0.15にとどまった。下期を迎え、投資家は投資を継続することが 重要だが、長引く市場の激しい動きに備えることも重要である。この手段としては (インパクト投資を含めた)オルタナティブ投資、株式のヘッジ、クレジットの質の強 化、分散投資、中長期のテーマへの投資が含まれる。

要点:我々は世界の経済成長力にけん引されて、下期は市場が続伸すると考えて いる。ただし、ボラティリティ(市場の変動)の上昇に備えてポートフォリオを強化 すべき時期でもある。

カーブのフラット化は必ずしも景気後退を意味しない

米国2年国債と10年国債の利回りの差は先週、2007年8月以降で最低水準の30ベ ーシスポイント(bp)まで縮小した。イールドカーブのフラット化(平坦化)は従来、 今後の金融引き締めと景気減速を示唆すると考えられてきた。しかし、フラットな曲 線は逆利回り曲線とは異なり、懸念する理由になるとは考えていない。また、1988年 以降、2年国債と10年国債の逆利回り曲線が米国の景気後退局面突入に先行した 期間は、短い時で150日、長い時では750日と、予測指標として当てにならない。さら に、米連邦準備理事会(FRB) の政策は引き締めには至っておらず、景気のシグナルも ポジティブである。

要点:我々はFRBが景気の腰折れを招くような政策を早急に打ち出すとは予想 していない。金利の上昇は緩やかなペースを維持すると予想され、米国10年債を
オーバーウェイトとしている。

貿易をめぐるテール・リスクが引き続き株式に取って大きな脅威である

先週は欧州から市場に朗報が届いた。ドイツの5月の工場受注が予想の2倍を上回 る増加となり、欧州の経済成長が踊り場を脱しつつあることを示唆した。さらに、EU は米国との貿易摩擦を解消するため、米国からの輸入車に課す関税の引き下げを 検討していると報じられている。しかし、貿易をめぐる懸念が市場にとっての大きなリ スクであることに変わりはない。オブラドール氏がメキシコ大統領に選出されたこと で、北米自由貿易協定(NAFTA)交渉がもつれるおそれがある一方、米国の中間選挙 が近づく中、トランプ大統領が「米国第一」の手綱を弱める可能性は低い。

要点:貿易をめぐるテール・リスク(確率は低いものの、発生すると巨大な損失をも たらすリスク)への防衛策として、グローバル株式へのエクスポージャーにはカウ ンターシクリカル(反景気循環的)なポジションでバランスを取ることを勧める。 我々は対米ドルで円をオーバーウェイトとしている。




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