House View Weekly グローバル株式のオーバーウェイトの理由

我々は高格付債に対するグローバル株式のオーバーウェイト幅を拡大した。10月の相場の急落は弱気相場の始まりというよりも、現在の強気相場における調整局面と考えている。強気相場は成熟期にあり、通常、相場変動が大きくなり、株価上昇余地も縮小する。しかし、グローバル株式の現在のバリュエーションは、今後の相場変動を考慮しても十分魅力的な水準にあると判断している。

12 11 2018

今週の要点

1. ボラティリティにさらされても、株式のエクスポージャーを引き上げる価値あり

10月の急落後、グローバル株式の回復は続いており、下落率9.5%のうち半分以
上を取り戻した。市場は不安定な状態が続き、モメンタムは弱くボラティリティ
(相場の変動)は高い。米中の貿易摩擦と米国10年国債の実質利回りが40ベーシ
スポイント(bp)上昇したことによるファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)の
リスクも尾を引いているが、下落は買いの好機と考えられる。我々の慎重な企業
利益予想と米中間の関税の応酬を織り込んでも、バリュエーションは依然として
魅力的である。12カ月予想株価収益率(PER)は新興国で11倍、ユーロ圏では12倍
と、30年間の平均である13倍と14倍をそれぞれ下回っている。米国株式は長期
の予想PERをやや上回っているものの、米国株式のリスクプレミアム(債券を上回
る期待リターン)は4.6%と、長期平均の3.2%を上回っており、依然として債券よ
り投資魅力は高い。貿易協定をめぐり米中が合意に達するなど、市場が予想して
いないプラス材料が出現する可能性もある。

要点:我々は高格付債に対してグローバル株式のオーバーウェイトを引き上げる。
景気サイクルの成熟に伴いボラティリティは高まっているが、株式市場は戦術的
投資期間である今後6カ月においてさらに上昇すると予想される。

2. 米中間選挙の影響を受けるセクターは金融と資本財のみ

米国の中間選挙の結果、共和党が下院の過半数を民主党に譲って勢力を共有
することになった。その翌日に米国株式は2.1%上昇したが、今回の上昇は10月
の急落からの反発であり、選挙結果が株式に大きくプラスに働くとは予想してい
ない。むしろ、影響は特定のセクターに限定されるとみている。民主党が下院の多
数派を奪還したことで、金融サービス業界の規制緩和は鈍化する可能性がある。
だが、金利の上昇に加え、デフォルト(債務不履行)率が低水準なことから、このセ
クターは依然として魅力的である。資本財セクターの上振れ余地は制限されるだ
ろう。インフラ投資拡大による株価上昇が見込まれていたが、民主党はその財源
として国防費の削減を求めると予想されるからだ。

要点:我々は米中間選挙の結果がグローバル株式市場の見通しを左右するとは
考えていない。影響は特定のセクターにとどまるだろう。

3. FRBは予定通り12月に利上げの見込み

FRB(米連邦準備理事会)は先週の連邦公開市場委員会で、労働市場は底堅く、
消費支出も旺盛だと指摘した。市場は12月に利上げが実施される確率を75%に
引き上げ、我々もこの見通しに同意する。しかし、FRBの声明は、10年国債に悪影響
が及ぶほど利上げペースを加速させる可能性は示唆していない。今週後半に発表
される消費者物価指数は、エネルギーと食料品を除いたコア指数が2.2%と、FRB
が目標とする個人消費支出(PCE)物価指数2%に沿って安定推移すると予想され
る。10年国債の利回りは3.2%と魅力的であり、強気相場の成熟で株式市場のボラティリティが上昇する中で、国債はポートフォリオの重要な安定剤となるだろう。

要点:我々は米国10年国債をオーバーウェイトとする。




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