House View Weekly 第4四半期に突入

第3四半期が終了した。結果は分散投資している株式投資家にとってはおおむねプラスで、米国株式が7.7%のリターンを付けたことからMSCIオール・カントリー・ワールド指数は4.7%上昇した。米国の強気相場は115カ月連続と近年の歴史で最長を記録し、米国株式は歴史を塗り替えた。一方、米国10年国債の利回りの20ベーシスポイント(bp)上昇は新興国市場の悪材料となり、MSCI新興国指数は米ドル建てで-1.1%に低下した。

08 10 2018

今週の要点

1. 国債は下落するも、株式に影響なし

米国の好調な経済統計を受けて米国10年債利回りは10月4日に3.21%をつけ、1日としては2016年11月の米大統領選挙以降で最大の上げ幅を記録した。利回りの上昇を受けて、経済成長の鈍化や債券と比較した株式の魅力低下といった懸念が生じる可能性がある。しかし、これまでのところ株式市場の反応は落ち着いている。金利の上昇が企業に影響を及ぼすまでには時間がかかる一方、今後12カ月以内に償還日が到来する社債は(指数組み入れに適格な)発行済み残高の7.4%を占めるに過ぎない。さらに、シカゴ連銀が発表した全米金融環境指数は–0.86と、借り入れ環境は依然として平均より緩和的である。企業の業績見通しは良好であり、今年の米企業の増益率は19%、来年は6%と予想される。

要点:我々は米国債利回り上昇の動きはおおかた終息したとみており、グローバル株式と米国10年国債のオーバーウェイトを維持する。

2. イタリアの予算をめぐる混乱が債券利回りを押し上げ

イタリアは2019–2021年の財政赤字目標を対国内総生産(GDP)比2.4%に引き上げると表明し、これを受けて先週、イタリア2年国債の利回りは32ベーシスポイント(bp)上昇した。その後、2020年、2021年については対GDP比を引き下げる方針が報じられたが、イタリアの国債利回りは格付が同等の欧州債を依然として160bp前後上回っている。我々はイタリアの信用格付が1段階引き下げられる可能性が高いとみているが、少なくとも今後12カ月間は投資適格に留まると考えている。2019年末までに借り換えが必要な国債は全体の13%に留まり、イタリアが今後2年以内にデフォルト(債務不履行)に陥る確率は非常に低い。このところの短期債の売りは行き過ぎであり、魅力的な買いのタイミングだと思われる。

要点:イタリア2年国債をオーバーウェイトとするが、イタリアと欧州委員会の対立の激化、イタリアの現連立政権の分裂、トリア財務相の辞任等のリスクを注視していく。

3. 新たな北米自由貿易協定(NAFTA)は通商面での進展だが、鍵を握るのは依然として中国

貿易については朗報があった。米国とカナダがNAFTAに代わる協定に合意し、メキシコを加えた3カ国協定維持への道が開かれた。今回の合意を受けて、カナダ・ドルは一時上昇した。しかし、貿易摩擦の一部解消は朗報とはいえ、世界の経済大国1位と2位の米国と中国の貿易摩擦は続いている。追加関税が発動され、通商交渉は見送られた。中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は、新規輸出受注の項目が48に低下したことから、8月の51.2から9月は50.8に低下し、貿易摩擦が需要の足を引っ張っていることを示唆している。米国は経済的な覇権や地政学的影響力などの「消耗資産」を維持しようとしており、米中の対立が長期化するおそれがある。

要点:市場が貿易をめぐる懸念を織り込み始めた一方で、NAFTAの進展はオーストラリア株式に対するカナダ株式のオーバーウェイトを後押しする材料である。




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