House View Weekly iPhone XSの次はiPhone US?

米アップルは先週、サプライチェーンが不確実な中でiPhone XSを発売した。中国からの2,000億米ドル相当の輸入品に関 税を課す米国案は様々なアップル製品に影響を及ぼし、米国 が追加関税をちらつかせている2,670億米ドル相当の対象品 目にはiPhonesも含まれる可能性が高いと、アップルは警告 した。トランプ米大統領はアップルへの解決策として、「中国 ではなく米国で生産を」とツイートした。

17 9 2018

今週の要点

1. 米中貿易をめぐる言葉の応酬は続いても、進展は少ない

通商交渉は引き続き市場の注目材料である。第2回日米貿易協議は今月21日に予定されており、米国が中国に通商協議の再開を提案したとの報道もある。緊張緩和は市場にとって朗報ではあるが、過去の協議は実を結んでいない。我々の基本シナリオは、中国からの2,000億米ドル相当の輸入に対して最終的に10–25%の関税が発動されることを想定している(注:米政権は17日、2,000億米ドル相当の中国からの輸入品に対し、24日から10%の追加関税の実施を決定し、2019年1月1日からは関税率をさらに25%に引き上げると発表)。貿易をめぐるセンチメントが世界中の市場に影響を与えており、米ドル/人民元レートと新興国の株式、債券および通貨との相関は2005年以降で最高となっている。投資家には地域的な分散投資を維持し、特定のリスク資産への過度な集中を回避するよう勧める。

要点:投資家は十分な分散投資を維持してリスクの集中を回避するよう勧める。貿易摩擦が激化すれば、米国10年国債へのオーバーウェイトが功を奏すと予想している。

2. ハリケーン以外の要因も原油価格を押し上げ

ハリケーン「フローレンス」に対する懸念から、ウェスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)は1バレル=70米ドル、ブレント原油は80米ドル近辺まで値上がりした。ハリケーンの進路方向に大型の原油生産設備はないが、世界の原油価格の上昇基調が続く理由はほかにもあるとみている。イラン産原油を標的にした米国の制裁が11月4日に発動し、この影響でイランの2018年10–12月期(第4四半期)の原油生産は最大で日量100万-150万バレル程度落ち込むと予想される。サウジアラビアは増産を約束しているが、実現には時間がかかっている。石油の需要も引き続き旺盛で、今年下期には世界の需要が初めて日量1億バレルを突破する見通しである。セクター戦略においては、欧州と米国のエネルギーセクターを推奨する。このポジショニングは、世界的な原油供給ショックが起きても、投資家に一定の防御策を提供するだろう。

要点:欧州と米国のポートフォリオではエネルギー株を推奨する。我々の6カ月予想はWTIが1バレル=78米ドル、ブレント原油が85米ドルである。

3. ブレグジットに関する楽観論はポンドに織り込み済み

英国の欧州連合(EU)離脱問題でEU側の首席交渉官を務めるミシェル・バルニエ氏の発言を受けて、EUと英国が近々合意に達するとの楽観論が広がり、この2週間で英ポンドはユーロに対し2%上昇した。クリフエッジ(合意不調による英国の無秩序な離脱)は最終的に回避されると考えているが、ユーロに対してポンドが一段高となる可能性は当面限定的とみている。いかなる合意も英国の議会承認を受ける必要があるが、ある元閣僚によると、首相の別荘「チェッカーズ」でまとめたEU離脱案に対し、80人の与党保守党議員が反対しているという。英国とドイツが大まかなブレグジット案を受け入れる可能性を示唆した報道もあり、当初の合意後もビジネスと金融市場の不透明感が長引くおそれがある。しかも、英ポンドのオプション市場では極端に弱気なセンチメントが後退しており、ブレグジットをめぐり明るいニュースが出ても一段高となる可能性は低い。

要点:ユーロ/英ポンドの現在のレートは0.89で、今後の上昇余地はわずかと思われる。よって、6カ月後、12カ月後のレートはともに0.88と予想する。




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