House View Weekly 貿易摩擦:何が織り込まれているか?

先日、好調だった7月の株式相場に乗じて、我々はグローバル株式へのオーバーウェイトを縮小した。最終的な数字が発表されれば、4-6月期(第2四半期)は企業収益にとって好調な四半期になると予想されるが、ここにきて貿易摩擦が緩和されるのでなく悪化している証拠が出てきているからだ。

06 8 2018

今週の要点

1. 業績発表は好調だったが、成長株はアンダーパフォーム

業績好調が際立った米アップルは先週、時価総額が米企業として初めて 1兆米ドルを突破し、米企業全般の好調さが浮き彫りになった。S&P500種株 価指数構成企業の4分の3以上が4–6月期(第2四半期)の業績発表を終えた が、80%以上が利益予想を上回り、S&P500種構成企業の増益率は+25%に 達する見通しだ。しかし、米企業の業績好調とは裏腹に、投資スタイルの変更 が進んでいる。7月30日までの3営業日の間で成長株からバリュー株への乗り 換えが9年ぶりの最高水準に達しており、こうした切り替えは今後も続くと我 々はみている。ラッセル1000種指数のバリュー株は成長株に比べて35%割安 と、およそ15年ぶりの割安水準で取引されている。金融サービスやエネルギー 株など、景気に敏感なバリューセクターの相対的な割安感を意識する投資家 がさらに増えるだろう。

要点:我々は、バリュー株のパフォーマンスが成長株を上回る可能性があると みている。世界的な企業業績の好調さは依然として続いている。

2. 日本は緩和政策を調整したが、世界的な売りを招くことはない

日銀は先日の金融政策決定会合で、0%程度としている長期金利目標の変 動幅の拡大を容認した。これにより、利回り曲線はスティープ(傾斜)化し、我 々の日本10年国債に対するアンダーウェイトポジションの下支えとなってい る。市場はこの日銀の決定に伴い債券が幅広く売られることを懸念しており、 実際、米国10年債金利は今週に入り3%台に上昇した。しかし、世界の金利 が大きく上昇するとは考えにくい。日銀が「金融緩和の継続強化」を強調する 一方で、米連邦準備理事会(FRB)は貿易摩擦をめぐる懸念から第4四半期は 利上げを見送る可能性が高い。イングランド銀行も先週利上げを実施したも のの、今後3年間の利上げは2~3回にとどまる見通しである。

要点:我々は米国10年国債をオーバーウェイトとする。今後6カ月間に世界の 債券金利が急上昇するとは考えにくい。

3. 貿易摩擦がくすぶる間は、リスク資産への回帰は時期尚早

米政府が2,000億米ドル相当の中国製品への関税賦課について、追加関税 率の10%から25%への引き上げを示唆すると、上海総合株価指数は2日間 で3.5%低下した。もし関税率が引き上げられれば経済的に従来の2.5倍以 上の影響があり、サプライチェーンを混乱させ、第4四半期の米国の成長率を 1%未満に押し下げるおそれがある。我々が米国の富裕層投資家に対して行 ったアンケート結果を見ると、米国を拠点とする投資家の74%が貿易摩擦は 景気に悪影響を及ぼすと考えており、プラスに作用すると考える18%を上回 った。通商交渉の行方はめまぐるしく変化していることから、リスク資産の比 率を高めるのは時期尚早と考える。よって、我々はリスク資産をおおむねニュ ートラルを維持する。

要点:欧州ハイイールド債に対してグローバル株式を小幅にオーバーウェイト とする。




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