House View Weekly ボラティリティと不確実性からの投資機会

10月は株式にとって1年の中で厳しい月の1つと言われるが、今年はその通りになった。グローバル株式は7.6%下落し、月間下落率は2010年5月以降で最大を記録した。年初来、他の市場が下落しても底堅かった米国株式も同程度下落し、S&P500種株価指数は月間としては7年ぶりに6.9%下落した。ただし、10月最終週の最安値の時点で米国とグローバル株式は先のピークから10%以上下落して調整局面にあったが、月末から11月にかけて上昇した結果、損失を一部取り戻している。

05 11 2018

今週の要点

1. サイクルが成熟化する中で転機を見出す

10月は株式投資家にとって厳しい月となった。ブルームバーグが追跡する主要株式市場の90%以上で株価が下落して10月を終え、グローバル株式のパフォーマンスは2010年5月以降で最低を記録した。市場の変動が顕著になり下落率が大きくなるのは強気相場の成熟期にはよくみられるが、経済統計は依然として景気拡大を示しており、今回のボラティリティ(市場の変動)も急落した株への投資機会をもたらしている。注目に値するのは、市場全体の下落局面ではより大きな下げ幅を記録した一方で、企業のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)が堅調な欧米の銘柄である。今回の下落局面を活かして、株式保有比率の見直しの検討を奨める。
要点:我々はグローバル株式のオーバーウェイトを維持し、先行経済指標の変化、業績予想の上方修正、G20サミットでの米中関係など、投資環境の好転を示唆する要因を注視している。

2. テクノロジー大手の不振

米国の決算発表シーズンで市場予想を下回った企業が売られた。株価の平均下落率 (–3.8%) は5年平均の2.5%を上回っている。この傾向はテクノロジー、インターネット、Eコマース銘柄で特に顕著で、アマゾンとグーグルの業績が予想を下回ったことから、ナスダック総合指数は10月に9.2%下落した。しかし、下落の一部はセクター固有のリスクを反映したものである。ナスダック総合指数の約17%を占めるインターネット関連銘柄は規制と課税強化のリスクに直面しているものの、このサブセクターは年成長率15-20%を維持している。テクノロジーセクター全体の伸び率は減速する見通しだが、来年も10%を維持するだろう。定期的に収益が望め、設備投資の回復からの恩恵を受けているソフトウェアとサービス企業の見通しについても、我々は強気を維持している。
要点:バリュエーションが高いことから、テクノロジーセクターについては引き続きニュートラルとする。よりディフェンシブなソフトウェアとサービスのサブセクターには割安感がある。

3. 新興国の足かせである米ドル高はいずれ解消

米セントルイス連銀の米ドル指数は10月31日に昨年12月以降の高水準を記録し、新興国市場に打撃を与えた。米ドル高を受けて、主要新興国の半数以上の中央銀行が利上げを余儀なくされ、景気の重石となっている。米ドル指数と新興国株式との強い逆相関に加え、製造業購買担当者景気指数(PMI)が50を若干上回る水準にとどまっていることから、我々は新興国株式を引き続きニュートラルとしている。しかし、新興国の資産がポートフォリオで果たす役目は重要である。60以上の発行体で構成され、幅広く分散された新興国債券指数(EMBIGD)は6.5%と魅力的な利回りを提供しており、為替リスクも限られている。新興国株式の実績株価収益率(PER)は11倍と、30年平均より29%低く割安であり、長期の投資家にとって魅力的な投資開始地点となる可能性がある。我々の分析では、新興国資産の分散ポートフォリオを含めることで、若干のリスクを伴うグローバルなポートフォリオのリスク調整後リターンは上昇する。
要点:新興国は投資家に引き続き良好な投資機会をもたらしている。今後は米ドル高が落ち着くと思われることから、悪材料はいずれ解消されると考えている。




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