House View Weekly 米株式相場急落に対する我々の見方

トランプ大統領は、先週の米国株式相場急落の要因は米連邦準備理事会(FRB)によるこれまでの大幅で急ぎ過ぎた利上げだとし、FRBを批判した。S&P500種株価指数は1週間で4.1%、ナスダック総合株価指数は3.7%、MSCIオール・カントリー・ワールド指数は4.1%下落した。金利の上昇は下落の要因の1つに過ぎず、今回の相場急落で強気相場が終わったとするには時期尚早と思われる。

15 10 2018

今週の要点

1. 米国の強気相場は調整するも、終わらず

米国の主要な株価指数は10月11日までの2日間で軒並み5%超下落した。その後 やや値を戻したがグローバル株式は4.1%下落してその週を終えた。今回の急落の 背景には複数の要因がある。第1に、米国の10年国債利回りが過去6週間で40ベー シスポイント(bp)も上昇し、株式の魅力が相対的に薄れたこと。第2に、米国の金利 上昇により米国経済の減速懸念が高まったこと。第3に、対中貿易に携わっている 企業がここ数日、関税が事業にもたらす悪影響を指摘したことである。しかし、この 1週間で米国経済と企業業績の好調なファンダメンタルズ(基礎的諸条件)が変化 したわけではない。我々は第3四半期の企業収益の伸び率は23–24%に達すると予 想しており、力強い成長モメンタムを追い風に米国経済は金利の上昇にも耐えられ るとみている。発表された関税も、今のところ米国経済にそれほど大きな影響を与 えていない。

要点:ファンダメンタルズの見通しを踏まえ、我々はグローバル株式のオーバーウ ェイトを維持する。ただし、景気サイクルが成熟するにつれ、市場の変動が高まり相場が下落する局面が増えるだろう。

2. 国債は引き続きポートフォリオの安定化要因

先週の下落局面で朗報だったのは、米国10年国債の利回りも10月10日に9bp低下したことである。その結果、利回り上昇をめぐる懸念が多少弱まり、市場が不安定な局面で国債はポートフォリオを安定させる役目を果たした。我々は、米10年国債は米連邦準備理事会(FRB)による利上げサイクルを織り込み済みとみており、米10年国債のオーバーウェイトを維持する。投機筋による米10年国債のショートポジションは積み上がっている。我々の考えでは、米国のインフレ率がFRBの掲げる2%目標を大幅に上回る可能性は低く、金融引き締めを加速する根拠がない。したがって、利回りがさらに急上昇する可能性は低いと思われる。

要点:景気サイクルが成熟するにつれ、米国債は好調に推移すると予想される。株式と債券利回りの相関関係の強まりを懸念する投資家は、ヘッジファンドなどの代替投資を検討してもよいだろう。

3. 気候変動がポートフォリオの変更を要求

ボラティリティ(相場の変動)が上昇する中、ノイズに惑わされずに中長期のテーマに集中することが賢明な戦略になるだろう。先週発表された国連の報告書は気候変動について警鐘を鳴らし、2050年までに二酸化炭素の実質排出量をゼロにする「カーボンニュートラルな経済」を新たな目標として付け加えた。この目標を達成することは容易ではないが、投資家にも貢献できる方法がある。二酸化炭素排出量を抑制する取り組みにより、再生可能エネルギー企業の成長が加速するだろう。国連の目標達成には、世界の電力に占める再生可能エネルギーのシェアを現在の約20%から60%以上に拡大する必要がある。広義の運輸セクターにおいて二酸化炭素の排出量が少ない車両の比率を現在の5%未満から2050年までに35-65%に増やすことも求められており、自動車の電気化も進むだろう。さらに、グリーンボンドなどのサステナブル投資は、投資リターンを損なうことなく、二酸化炭素排出削減など将来に向けた目標の達成に貢献できる。

要点:マルチアセットのサステナブル投資や、再生可能エネルギー、スマートモビリティ等の中長期投資テーマに沿った投資により、投資家は投資リターンと環境の双方にプラス効果をもたらす資金運用が可能である。




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