新型コロナウイルス感染が世界的に大流行している状況下で、大統領候補が全国的な選挙戦をどう戦い抜くかを解説した攻略本はない。この場合、伝統的な戦略は効果的ではない。熱烈な支持者による集会は開催できない。資金集めのパーティーは中止となり、予備選は延期された。現職のトランプ大統領は、表向きは再選の確率を気にする素振りなど見せずに、リーダーシップを発揮しなければならない。一方、トランプ大統領に挑む候補者は、危機の深刻さを軽視したり、政府の適確な政策対応に反対したり、利己的な動機で行動しているなどと思われずに、大統領の行動を辛辣に批判しなければならない。これは、控えめに言っても、難しい綱渡りだ。

コミュニティ内での新型コロナウイルス感染は驚くべき出来事ではなくなってきた。有権者が屋内に退避し、友人や隣人との個人的な接触を避けるよう要請される中、自らの健康と家族の安全に対する不安は大きくなっている。当然の成り行きとして、大統領選の注目度は薄くなり、何事もコロナ危機と関係づけて語られるようになっている。民主党の候補指名で最有力視されるジョー・バイデン氏*は、最終手段としてソーシャルメディアを利用しているが、期待したほど世間の注目を集めていない。こうした状況は今後数カ月で変わるかもしれないが、当面メディアの注目の的となるのはトランプ大統領だ。

コロナ関連のニュースが注目を集めるなか、今回のElectionWatchの発行を決めたのは、2人の候補者の政策が引き続き極めて重要だからである。有権者は今年、郵便で投票するよう求められる可能性があり、その点についても説明する。大統領選の勝者には、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)終息後、さらに多くの経済的、地政学的な課題が待ち構えている。そこで、我々は個々の政策分野に対する各候補者のアプローチを予想してみた。また、相場が大幅に下落したことから、耐性のある投資ポートフォリオの構築方法にも注目する。

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