ElectionBrief 米副大統領候補の選出

なぜ、バイデン元副大統領が選挙戦を共に戦う副大統領候補の選択に多くの注目が集まっているのだろうか?バイデン氏は大統領選に勝利すれば、最も高齢の大統領になる。バイデン氏は自らを「中継ぎ候補者」と称しており、1期だけを務めて、若い世代の党指導者のために地ならしをするつもりだとの憶測を呼んでいる1。つまり、バイデン氏は副大統領候補を選ぶことで、後継者候補としても暗に認めていることになる。

2020年 6月 22日

「今は何者でもないが、極めて重要な人物になるかもしれない。」
–ジョン・アダムズ(初代米国副大統領、米国第2代大統領)

米国の副大統領には、憲法上3つの役割しか与えられていない。1つ目は、現職大統領が死去した場合に大統領職を継承すること。2つ目は上院議長を務め、可否同数の場合に均衡を破る一票を投じること。3つ目は、大統領選後に投票結果を議会で公式発表することだ。その職務の簡潔さは際立っている。初代米大統領ジョージ・ワシントンの後継として大統領の座を狙っていたジョン・アダムズでさえ、自らが務めた役職の責任が限られていることを嘆いた。

ここで疑問が浮かび上がる。なぜ、バイデン元副大統領が選挙戦を共に戦う副大統領候補の選択に多くの注目が集まっているのだろうか?バイデン氏は大統領選に勝利すれば、最も高齢の大統領になる。バイデン氏は自らを「中継ぎ候補者」と称しており、1期だけを務めて、若い世代の党指導者のために地ならしをするつもりだとの憶測を呼んでいる1。つまり、バイデン氏は副大統領候補を選ぶことで、後継者候補としても暗に認めていることになる。また、社会不安が広がるなか、選定プロセスに新たに重要な要素が加わり、副大統領候補の公民権に関する記録は極めて厳しく精査されるだろう。

かつてバイデン氏は、副大統領候補のアイデンティティに基づいて投票先を決める人はいないと述べた2。数々の学術研究によって、この見解が正しいことは分かっている。副大統領候補が投票率を高めたり、大統領選挙の結果を左右したりすることはまずない。だが、どちらの党の候補者も従わなければならない絶対的なルールがある。選挙に悪影響を与えてはならないというルールだ。

民主党の副大統領候補は徹底的に調査されるだろう。これまでの公的な声明は細かく分析され、投票記録も調べられる。過去に大統領候補に名乗りを上げた者は、すでにメディアによる精査をクリアしているため、有利であるかもしれない。現在賭け市場で最有力候補になっている、カリフォルニア州選出のハリス上院議員は、バイデン氏が直面する選択の難しさを象徴する。ハリス氏は大統領選に出馬した際の精査を乗り切っている。だが、検事時代に焦点を当てた綿密な調査を新たに受けることになるだろう。とは言え最終的には、バイデン氏の選択は相性などの単純な要素で決まるのかもしれない。

投資見解

全体的に、副大統領候補の指名は市場と投資家に限られた影響しか及ぼさないと我々は考えている。今年初めには、クロブシャー上院議員とウォーレン上院議員が副大統領候補の指名で有力だと考えられていた。バイデン氏の選択で、どの程度プログレッシブな政策(左派の政策)がとられるかが把握できるとされてきた。プログレッシブな政策が特定のセクターと資産クラスに対する脅威になると見られてきたため、当時の市場は、副大統領候補指名の行方により神経を尖らせていたかもしれない。その後、クロブシャー氏は副大統領候補を辞退し、ウォーレン氏が候補として指名される可能性は低くなっているようだ。焦点は、米国の法の執行における人種的な偏見と差別を巡る議論に移っている。候補者の公民権関連の記録が、バイデン氏の選択で重要な鍵となりそうだ。

バイデン氏の年齢を考えれば、副大統領候補の選択が今回の選挙結果に若干の影響を及ぼす可能性はあるが、我々は、2人の大統領候補が掲げる全く異なる国のビジョンに有権者が引き続き注目すると考えている。今後のElectionWatchでは、投資パフォーマンスに影響しそうな基本的な政策の選択について検証する。我々は、トランプ大統領の2期目が市場に与える影響を精査し、それをバイデン氏就任の場合と比較する。トランプ大統領が再選した場合、中国に対する敵対的な姿勢を強め、緩い規制環境が維持されそうだ。バイデン氏は、法人税率引き上げと環境規制強化への支持を示している。

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