米国経済 FOMCのハト派的サプライズ

米連邦公開市場委員会(FOMC)は3月20日の会合で、市場の予想通り、政策金利の据え置きを決定した。最新の「ドットチャート」によると、2019年の利上げはない見通しだ。我々は米政策金利が2020年末までは据え置かれると予想する。

20 3 2019
  • 米連邦公開市場委員会(FOMC)は3月20日の会合で、市場の予想通り、政策金利の据え置きを決定した。
  • 最新の「ドットチャート」によると、2019年の利上げはない見通しだ(これまでは2回の見通しだった)。
  • FOMCの決定による市場の反応は大きく、米ドルは他の主要通貨に対し約0.6%下落した。米2年物国債の利回りは前日の終値水準よりおよそ8ベーシスポイント(bp)低下した。
  • 我々は米政策金利が2020年末までは据え置かれると予想する。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は3月20日の会合で、市場の予想通り、政策金利の据え置きを決定した。FOMCの声明では、個人消費や設備投資の伸びの鈍化が指摘されたが、その他に景気の先行きを不安視されることはなかった。FF金利(政策金利)の誘導目標レンジの調整には慎重な姿勢を示した。一方で、今回の会合で特記すべき点は2つあった。

第1に、ドットチャート(FOMC参加者の年末時点の政策金利見通し)の中央値が大幅に低下したことだ。昨年12月のドットチャートでは2019年末までに2回の利上げが予想されていたが、今回更新されたチャートでは利上げなしの見通しが示された。最近の経済指標は軟化していたため、ドットチャートの変化が大きなサプライズとは捉えられなかったが、我々は1回の利上げ見通しになると予想していた。

第2に、FOMCが米連邦準備理事会(FRB)のバランスシート縮小の終了方針を発表したことだ。現行の計画では、毎月最大500億米ドルの保有資産縮小となっているが(300億米ドルの米国債と200億米ドルの住宅ローン担保証券(MBS))、これが変更され、米国債の縮小規模の上限が5月から200億米ドルに引き下げられ、9月末には停止する。MBSの上限は200億米ドルを維持するが、10月からは縮小されるMBSは米国債の購入に充てられる。その結果、10月からは、FRBの保有資産規模は安定することになる。これにより、FRBのバランスシートの規模は約3.7兆米ドルとなる。ピーク時の4.5兆米ドルからは縮小するが、金融危機前の1兆米ドルと比べると依然として高い水準にある。

市場はこれに対し大きく反応した。米ドルは他の主要通貨に対して0.6%前後下落し、米2年物国債利回りは前日比(19日の終値から)で8ベーシスポイント(bp)下げた。市場は、2020年半ばまでに25bpの利下げが行われることを完全に織り込んでいる。

パウエルFRB議長は記者会見で、足元の経済指標は金利をどちらの方向に動かすべきかを示唆していないと述べた。我々は、米国の経済成長率は2019年、2020年ともに2%前後と予想しており、失業率は引き続き低い水準を維持し、コア・インフレ率はFRBが目標とする2%近くで推移するとみている。こうした情勢下では、FRBはいずれの方向にも動く理由がないだろう。




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