中国投資 バリュエーションは魅力的だが、不透明感も根強い

中国株式については慎重ながらも楽観的な見方を維持している。特に中国オンショア株式市場は景気対策の恩恵を大きく受けるとみており、オフショア株式よりもオンショア株式を推奨する。米ドル/人民元は短期的には安定を取り戻すとみている。しかし、長期的には、米中の金融政策の乖離と中国の経常黒字の縮小により、貿易加重ベースで人民元は軟化傾向をたどると予想される。

11 1 2019
  • 中国株式については慎重ながらも楽観的な見方を維持している。特に中国オンショア株式市場は景気対策の恩恵を大きく受けるとみており、オフショア株式よりもオンショア株式を推奨する。
  • 米ドル/人民元は短期的には安定を取り戻すとみている。しかし、長期的には、米中の金融政策の乖離と中国の経常黒字の縮小により、貿易加重ベースで人民元は軟化傾向をたどると予想される。

着目点:バリュエーションは魅力的だが、不透明感も根強い

今後を決定づける重要な年

市場は前年の良好なパフォーマンスにより極めて楽観的なムードの中で2018年を迎えた。世界経済の成長加速、好調な企業業績予想、国内政策及び世界の地政学的情勢の良好な見通しはいずれも明るい材料になると思われた。しかし、終わってみると2018年は投資家にとって厳しい1年だった。

中国関連資産のパフォーマンスは振るわなかった。中国のオンショア及びオフショア企業の利益成長率はそれぞれ11%、14%となったものの、株式はオンショア市場とオフショア市場でそれぞれ26%、25%下落し、世界の株式市場の中で最も値を下げた。人民元も対米ドルで5%下落した。一方、オンショア社債とオフショア米ドル建て債のリターンはそれぞれ2.4%(米ドル・ベースでは-2.6%)、-0.6%となった。

パフォーマンスの不振はバリュエーションの低下が主因とみられる。オンショア株式市場、オフショア株式市場の株価収益率(PER)は、それぞれ14.3倍と13.3倍から足元の10.3倍と9.2倍まで約20~30%下落した。そうしたバリュエーションの低下は、国内外の問題に対する投資家の懸念が影響したものと考えられる。国内については、改革開放が40周年を迎える中、政治権力の分散化、経済の一層の自由化、そして過去40年にわたる中国の奇跡的な経済成長を後押しした起業家精神とイノベーションの促進に向けた本格的な構造改革に、まだ具体的な進展がみられない。

中国は2013年に「資源配分で市場が決定的な役割を果たす」と表明し、多方面での改革を進めると公言したが、それらが具現化するには至っていない。むしろ、国内経済に対する中国政府と共産党の支配力は強まっていると考える。景気サイクルの面からは、経済成長の持続可能性に対する懸念が強まっている。中国の債務残高の対GDP比は1998年の100%弱から足元270%まで上昇している。過去20年間、成長の2本柱であった住宅市場と自動車産業はここにきて成熟期に入りつつある。実際、過去数十年にわたり右肩上がりに販売台数が増えていた中国の自動車市場は、2018年に初めて減少に転じた。

対外的には、中国は世界貿易ならびに国際関係の面で重大な変化と深刻な問題に直面している。米国は中国を「戦略的競争相手」ならびに国家安全保障上の脅威と正式に位置付けた。ペンス米副大統領の10月の演説が象徴するように、貿易紛争が一時休戦となった中でも、貿易以外の分野で米中の緊張関係が長期化する可能性が高い。




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