中国株式 バリュエーションはまだ魅力的か?

中国株式のバリュエーションは、長期平均を上回る水準まで戻っているものの、2006年以降でパフォーマンスが好調だった10四半期の中では、2番目に低い水準にある。バリュエーションがまだ魅力的な水準にあることに加え、アジア太平洋(APAC)諸国全体で金利が25ベーシスポイント(bp)下がるとの予想を根拠に、我々は2019年のオフショアとオンショアのリターン予想をそれぞれ23%と28%へと2%ずつ引き上げた。

16 4 2019
  • 中国株式のバリュエーションは、長期平均を上回る水準まで戻っているものの、2006年以降でパフォーマンスが好調だった10四半期の中では、2番目に低い水準にある。バリュエーションがまだ魅力的な水準にあることに加え、アジア太平洋(APAC)諸国全体で金利が25ベーシスポイント(bp)下がるとの予想を根拠に、我々は2019年のオフショアとオンショアのリターン予想をそれぞれ23%と28%へと2%ずつ引き上げた。しかし、ボラティリティ(変動率)は1-3月期(第1四半期)の急反発の流れを引き継ぐ可能性が高いため、下落リスクに備えて、セクター間の循環買い等を勧める。
  • 2019年第2四半期に上海で創設予定の「科創板」(科学技術イノベーションボード:STIB)は、中国資本市場にとって大きな改革の節目になるだろう。3月下旬から、ハイテク、イノベーションなどの新興企業約50社が科創板に上場申請しており、新株発行による資金調達の規模は総額で500億人民元になると推計されている。上場を計画している企業の大半が中小企業、つまり中型株であり、同セグメントのバリュエーションの魅力と、短期的なパフォーマンス上昇見込みから、科創板への投資家の関心は高まっている。科創板の創設が成功すれば、A株式市場のセンチメントは、中型株を中心に大いに高まる可能性がある。
  • オフショア市場では、素材とインフラ関連(インフラプロジェクトの段階的な始動)、生活必需品(増値税(VAT)減税による利益率拡大)、不動産(金融緩和の恩恵を受ける)といったセクター推奨する。一方、オンショア市場では、テクノロジー(科創板創設)、中国伝統医薬(専門病院の安定した利益の伸び)及びバイオテクノロジー、家電および素材(不動産販売の好調)を推奨する。

長期金利の低下はバリュエーションにどう影響するか?

我々は最近、APAC諸国全体の長期の無リスク金利の予想を25bp引き下げるとともに、企業の自己資本利益率(ROE)予想を下方修正した。さらにバリュエーションが依然として魅力的な水準であることから、2019年通年のオフショアとオンショアの株式市場のリターン予想をそれぞれ23%と28%へと2%ずつ引き上げた。世界各国の中央銀行は、経済成長率の鈍化とインフレ目標の未達に直面し、ハト派的な意見表明と政策措置で対応してきた。政策金利の見通しを引き下げるとともに、金融緩和の延長を示唆している。米10年国債利回りは11月初旬に3.25%まで上昇したが、現在は2.5%周辺にある。中国10年国債利回りは、最近の反発にもかかわらず、なお過去2年で最低水準にとどまっている。

マクロ景気指標(信用供与額と購買担当者景気指数(PMI))の改善と中国政府による金融・財政両面からの景気浮揚策により、中国株式のリスクプレミアムも低下しそうだ。これは全般的にバリュエーションにはプラスになる。我々の感応度分析によると、増益率と収益性見通しが変わらなかった場合、インプライド株主資本コストが25bp低下すると、企業の純資産倍率は5~7%改善する。一般消費財、電気通信サービス、IT(情報技術)などの高成長セクターは、資本コストの変化への感応度が若干高い。




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