中国投資 中国投資:高まるリスク回避の動き

米中貿易摩擦の悪化と中国経済データの軟化が、直近の中国株式市場と人民元の重石となった。両資産クラスに対するリスク回避の動きは過剰であると考える。米関税の中国の企業収益への影響は緩やかなものに留まると思われ、人民元の競争的切り下げによるプラスの効果はコストに見合わない。

03 7 2018
  • 米中貿易摩擦の悪化と中国経済データの軟化が、直近の中国株式市場と人民元の重石となった。一方で、オフショア人民元建て債券は概ね横ばいとなった。
  • 両資産クラスに対するリスク回避の動きは過剰であると考える。米関税の中国の企業収益への影響は緩やかなものに留まると思われ、人民元の競争的切り下げによるプラスの効果はコストに見合わない。
  • 中国株式を保有する投資家は、投資を継続すべきと考える。一方、そうでない投資家は、直近の下落をポジション組み入れ機会と捉えることができる。米ドルに対する人民元の保有はヘッジが不要と思われるが、米ドル以外の他通貨に対する人民元のロング・ポジションは回避したい。

我々の見解

6月15日の米政府の関税発動の発表以降、中国関連リスクに対する投資家の警戒は高まった。それ以降の貿易摩擦の悪化により、株式相場は7〜10%下落し、オプションのボラティリティ(変動率)が急上昇した。しかし、相場下落は外部要因だけでなく、5月の中国国内のハード・データ(実体経済の動向を示す指標)が市場予想を下回って軟化したことも要因だ。従って、中国人民銀行(中央銀行)が一部の主要銀行の預金準備率を50ベーシスポイント(bp)引き下げ、人民元について年初来の貿易加重ベースの上昇の反転を許容したことは偶然ではない。

米ドル/人民元に対する中国人民銀行の介入は近いと思われる。米ドル/人民元の変動性が高まり、投資家の人民元に対する見通しが急激に変わることを同中央銀行は望んでいないことから、為替レートの安定化を図るものと考える。最終的に人民元の一段の下落見通しは、不必要に資金逃避圧力を高め、さらに民間の投資計画を抑制する可能性もある。

株式市場については、最終的には企業収益が重要になると思われ、株価を引き続きサポートすると考える。市場参加者は、国内外の逆風にもかかわらず2桁の増益率達成が期待される4-6月期の決算発表と収益ガイダンスに注目するだろう。これを踏まえて、我々はオフショア(国外上場)、オンショア(国内上場)の中国株式の年後半のリターンは10%台前半と予想し、オフショア株式の通年のリターンはプラス領域に入るとみている。クレジット面では、投資家は新規の高格付債に注目すること、また、調達コストが上昇していることから、レバレッジの管理をきちんと行うことを勧める。




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